著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ワザを身に付ければ、教師は最高の仕事ですよ!
東京都小金井市立緑小学校西野 宏明
2015/2/26 掲載
 今回は西野宏明先生に、新刊『新任3年目までに必ず身に付けたい!子どもがパッと集中する授業のワザ74』について伺いました。

西野 宏明にしの ひろあき

 1983年東京都八王子市生まれ。
 2006年立正大学心理学部臨床心理学科卒業。
 2008年玉川大学教育学部(通信)卒業。
 2009年東京都八王子市立川口小学校勤務。
 2014年東京都小金井市立緑小学校勤務。

―4月、「新任」「若手」の先生が、とりあえずこれだけは知っておくべきベスト3の集中ワザを、本書に収録の74本の中から挙げていただけますか。

 状況によってどれも大事なワザなのですが、新任の先生であれば以下の技を知っておくとよいと思います。

■ワザ1「子どもが思わず集中して聞く話し方3つのスキル」
 4月の2週目までは、どの学級でも子どもたちは話を聞きます。しかし、3週目以降は、話を全員が聞く学級と話を聞かない子が出てくる学級とに分かれます。
 なぜでしょうか。それは、2つの理由があります。
 1つめは、子どもが聞かなくなるのは、教師がそれを許しているからです。必ず全員に聞かせるという意志を教師が強くもっていることが大事です。
 もう1つが、授業が上手な先生には、聞かせる工夫があるからです。子どもが聞きたくなる話し方ができることが大事です。本書では、その工夫を紹介しています。

■ワザ2「授業崩壊に効き目バツグンの予防薬“ほめる”言葉かけ」
 子どもに話を聞かせたいとき、気になるのは私語をしている子、手いたずらをしている子、自分の世界に入ってしまっている子(?)です。だから、その子たちに注意をします。叱ります。すると、全体の雰囲気が悪くなっていきます。同時に、真面目にやっていた子どもたちもやる気がなくなっていきます。きちんと聞こうとしても、先生はほめてくれないからです。そうなると、だんだんと学級が停滞ムードに陥っていきます。
 このような事態にならないように、ますはできている子をバンバンほめていくのです。できていない子から、できている子へと視点を変えるのです。そうすることで、ほめられた子どもたちはよりがんばろうとしますし、その近くの子たちも「僕もほめられたい」と思いしっかりするようになります。本書では、具体的にどのようにほめていくかを書きました。

■ワザ3「クラスの子どもを教師の味方に!鍵を握る“中間層の子”」
 新任時代は、すごくよくできる子、手のかかる子ばかりに意識が向いてしまいます。ほめたり、指名したり、注意したり、叱ったりする子が偏るのです。
 すると、ものすごくよくできるわけではないけれど、ある程度真面目に学習したり、話を聞いたりしていた子どもたちが「先生はいつもあの子たちばっかり。私はちゃんとやっているのに……」と心が離れていってしまいます。本書では、そうならないためのワザを記しました。

―本書で紹介しているワザには、「『動』と『静』の原則」に則っているものがいくつもありますね。「『動』と『静』の原則」に関して、簡単に教えていただけますか?

 
 私が新任のころ、「学級を荒れさせたくない」と思い、子どもたちを45分間ずっと静かに座らせ続けようとしました。その結果、意図とは正反対に荒れました。何かがおかしいと思いましたが、当時はわかりませんでした。
 今にして思うと当然です。静かに座ることを強いられストレスがたまっていたのです。
 あるとき、次の言葉が降ってきました。
 「静かにさせたいなら、動きのある学習活動を意図的に組み込め」
 やってみました。すると、どうでしょう。
 音読するときは生き生きと音読し、ペアトークをするときには隣同士しっかりと話し合い、漢字学習では外の雨音が聞こえるくらい静かに集中して書き、討論の際には友達の意見を物音立てずに真剣に聞く子どもたちがいました。
 「動」と「静」の原則の効果です。

―本書は、「授業全般」「国語」「算数」「授業外」の4つのカテゴリーに分けてワザを紹介しております。本書の活用の仕方を教えてください。

 最も関心のあるページから読んでみてください。
 学級経営や授業において、何か困っていること、気になっていることがあるかと思います。そんなときに、目次をざっと見て、ページをぱらっとめくると、「あ、こんなことが知りたかった!」と解決や改善につながるワザが見つかるかもしれません。
 常に携帯したり、パッと手の届くところにあったりすると、「こんなとき、どうする?」と思ったとき、すぐに該当箇所を探し出すことができます。
 もちろん、最初から最後まで通して読んでいただいてもかまいません。
 子どもを集中させるためのワザ、授業を盛り上げるワザ、話を聞かせるワザ、学級崩壊を予防するワザなど、知っていると得するワザが身に付くはずです。
 あと、「いいな」と思ったら必ず実行してみてください。「知識」はそのままだと「知識」に過ぎません。「知識」を使いこなせる「技能(ワザ)」にすることで、指導の引き出しが増えていきます。すると、教師という仕事がもっともっと楽しくなりますよ。

―様々な指導スキルを学ぶ上では、セミナーやサークルの存在も大きいようですね。どのようにして勉強の場を見つければよいでしょうか。また先生が現在学んでいらっしゃる団体をご紹介いただけますか?

 セミナーやサークルがなければ今の私はありません。素晴らしい先生方から大変多くのことを教えていただいてきました。
 私が新任のころはサークルに参加するなど考えられませんでした。すごい先生ばかりが学ぶところだと考えていたからです。自分みたいな、授業下手のぺーぺーが行ったら恥ずかしいと思っていました。
 しかし、大切なのは行動です。
 本を読み「いいな」と思った先生のもとへ会いに行くといいです。
 ホームページや雑誌の研究会・セミナー情報で調べれば、すぐに情報が手に入ります。そして、「すぐに」連絡をとるのです。頭で考えてはいけません。
参加しないで済む理由をたくさん探し出しますから(笑)。かつての私のように(笑)。
 というわけで、セミナーやサークルに参加しましょう!
 ちなみに、現在、私が学んでいる団体は以下の通りです。

教育サークル・オリエンタルレボリューション(全国の若手実践家のネットワーク)
深澤道場(群馬県の深澤久先生主催のサークル)
八王子教育サークル・オスカー(八王子を中心とする若手教師の集い)
学校体育研究同志会(伝統のある体育の研究会)
コーチング勉強会(プロコーチの先生からコーチングを学ぶ会)
教育サークル・サザンテラス(新宿を中心とする勉強会)
科学教育研究協議会(伝統ある理科の研究会)

―4月から初めて教壇に立つ先生方や、子どもがなかなか教師の方を向いてくれずに悩んでいる先生方に向け、最後にアドバイスをお願いします。

 まずはたくさん遊びましょう。毎日、汗だくになるまで楽しく遊びましょう。
 そして、笑顔で、明るく子どもに接しましょう。
 無理せず、教材研究をしましょう。そして知的で楽しい授業をしましょう。
 できるだけ自尊感情を高めさせてあげる工夫をしましょう。
 そうすれば、子どもは先生の方に向くはずです。
 心と体の健康を第一にがんばってください。
 教師は最高の仕事ですよ!

All西野宏明セミナーin八王子  〜選りすぐりの「子どもを集中させる技!!」〜
【日時】2015年3月21日(土)13:30〜16:30(13:10受付開始)
【場所】八王子市生涯学習センター(クリエイトホール) 、10階第5会議室

(構成:木村)
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