- 著者インタビュー
- 学級経営
本書は、学級開きを最初の1か月ととらえ、1年を左右するこの1か月で何をすればいいのかを具体的に解説した本です。時系列に合わせて、何日目に何をするのかが書いてあります。特に初任者層を意識して書きましたが、10年以上の経験がある方にも読みごたえがあるものになっています。ファースト・インストラクションが大事である、というのが本書の主張です。
本書でも触れていますが、大切なのはシステムやルールを確立させることです。そのためには教師と子どもの信頼関係を築く必要があります。信頼関係はそう簡単に築けませんが、「あ、この先生は何かおもしそうだな。言うことを聞いてもいいな。」と思わせることから始めます。何をすればいいかは…、本を読んでみてください(笑)。
やはり、笑いですね。先生がおもしろいことをできれば言うことなしです。私はそれができる種族です(笑)。でも、キャラによっては難しい先生もいますよね。そういう時はミニゲームをたくさんすることです。これがクラスの雰囲気を温める一番手っ取り早い方法です。
最初に担任したのは5年生でした。苦労したのは女子との関係です。なにしろ女心を理解していなかったので(笑)。女の子は愛情を確認するためにわざと逆の態度(反抗的な態度とか)をとることがあるので、そうされてもめげないことです。恋愛と同じで、肯定的なメッセージを送り続けているといつか振り向いてくれます。
やはり、創意工夫する場や自分で判断する場を意図的に設定することです。創意工夫のためには時間を確保することが一番大切です。朝の活動の時間を係活動の時間にするとか、授業のすきま時間を会社活動にするとか。自分で判断できるようにするためにはスケジュールを知らせておいて、どう行動すればいいか促します。
それから、システムをつくることです。私はクラス会議もやっていますが、これは自治を進めるうえで効果的なシステムだと思います。
最初の1か月は忙しいですよね。とくに、昨年度崩壊した学級を担任される方は本当に大変だと思います。でも、この1か月に自分の力のすべてを注ぎ込んで学級づくりをしてください。“自分のすべて”ですよ。本書がその手助けとなればいいなあ、と思います。頑張りましょう、ご同輩!