THE教師力ハンドブック
学級開き入門

THE教師力ハンドブック学級開き入門

好評4刷

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学級は最初の1か月で7割が決まる!最高のスタートの秘訣

最高の1年は、最高の出会いから。学級開きの最初の1か月は、子ども達の期待に応え、ルールをつくる勝負の時間。その1歩はクラスのゴールをイメージした、確かな準備から始まります。学級開きのポイントを豊富な実践例をまじえて事前の準備から解説した入門書決定版。


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PDF EPUB
ISBN:
978-4-18-166714-6
ジャンル:
学級経営
刊行:
4刷
対象:
小学校
仕様:
四六判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年3月29日

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 始業式までにやっておくこと
1.クラスの子どもの顔と名前を覚える
2.名札を作る
3.子どもの引継ぎをする
4.そうじや表示をする
5.学級通信を作る
6.昇降口・教室に名簿を貼る 座席順を表示 黒板にメッセージ
7.着ていくものを決める 垂れ幕の準備
コラム@ クラスのゴールをイメージしていますか?
第2章 始業式・1日目
1.始業式〜教室に行くまで
2.教室で自己紹介
3.子どもの名前を呼ぶ
4.子ども同士をつなぐ
5.約束事を一つ決める
6.ものを渡すときは「どうぞ」「ありがとう」
7.明日の持ち物のメモ
8.宿題と帰りのあいさつ
コラムA クラスの状態で学級開きは変わる
第3章 2日目〜3日目
1.並び順を決める 整列の仕方を教える 机,いすのサイズを合わせる
2.入学式の指導〜立ち方,座り方,礼の仕方
3.作文を書く
4.掃除分担を決める
5.クラス全員で遊ぶ
6.係を決める
7.大事なことを話す
8.日直の仕事・号令のかけ方
9.給食のやり方を教える
10.朝の会
11.帰りの会
12.帰りの用意・メモを書く
13.学習のルールを教える
14.提出物の礼儀・お客さんへのあいさつ
15.子どもと遊ぶ
コラムB 縦糸・横糸論
第4章 4日目〜7日目
1.クラス目標を決める
2.クラスのシンボルマークを決める
3.宿題をパターン化する
4.これまでの決め事を確認する
コラムC 毅然と接するとは
第5章 8日目〜いつでも大切なこと
1.ほめ方・しかり方
2.指示の出し方
3.教室環境の整備
4.ノートの鉄則バン・カイ・ギ
5.やっぱり笑いが大事
6.ファーストインストラクションが大事
コラムD 子どもはどんな先生が好きか
第6章 クラスを温めるために
1.よいところさがし
2.ふわふわ言葉とチクチク言葉
3.クラスネームをつくる
コラムE 専科は授業開き
第7章 クラスが盛り上がるミニゲーム集&あると便利なグッズ集
1.子ども同士をつなぐミニゲーム集
2.あると便利なグッズ
あとがき

まえがき

 新年度のスタート。どの子どももドキドキしながら新しい生活を迎えます。これまでのことをリセットして,新しい自分に生まれ変われるような期待感をもって登校してきます。先生もそうではありませんか? 新しい年のスタートはどこかすがすがしく,期待感に満ちあふれているものです。

 しかし,子どもが抱えているのは期待感だけではありません。どんなクラスなのだろうか…,どんな先生なのだろうか…,どんな1年になるのだろうか…。同時に不安もランドセルに背負ってやってきます。

 私たち教師は,そんな子どもの不安を晴らしてあげなければなりません。「あ,今年はなにかいい一年になりそうな気がする!」という思いをもたせなければなりません。

 まずは始業式の日。最初のこの日をどんな日にするか? そして,そこからの1週間をどう過ごすか? それが,1ヵ月,いや1年を左右すると言っても過言ではありません。教師と子ども,そして子ども同士の関係づくりの第一歩になるからです。では,何をしたらいいのでしょうか?


 TOSSでは学級開きについて「黄金の3日間」と言っています。どんな学級の子供でも,最初の3日間は騒がずに先生の言うことを聞くといいます。この3日間は「どんな先生か」を子どもが査定する期間なのだそうです。だから,この3日間で,これから1年間通用する約束事やルールをはっきりと決めなければなりません。これを怠ると学級は崩壊します。これがTOSSの主張です。これには私も同意します。

 また,野中信行氏は著書の中で「3・7・30の法則」として学級開きについて述べています。3日間で「この先生はおもしろそうだ。」というイメージをもたせたり,学級の仕組みの第一歩を作ったりします。7日間で子どもたちに指導するときにポイントとなることを押さえます。そして,30日間で定着を図るというものです。これも確かにそうです。

 両方に共通しているのは,最初のうちに子どもへの指導を徹底し,システムやルールを確立しているということです。つまり,最初を怠り学級が崩れてしまうと,そこから立て直すことは難しいということです。


 私は「3日」とか「7日」とかにこだわる必要はないと思います。子どもに,一番初めに指導するときに曖昧なことをせずに,自分の学級づくりの考えが伝わるようにすることが大切だと考えています。

 ですから,まず「どんなクラスにしていきたいのか」ということを子どもの姿として明確にもつことです。そして,その姿に近づけるために何をしたらよいのかを考え,整理しておくのです。そのことに基づいて学級開きを始めます。

 言葉で伝えるのはもちろん,行動でも伝えるのです。例えば,「ごみを拾いなさい。」と言うだけでなく,先生もごみを見つけたら拾う姿を見せるのです。「ルールを守りなさい。」と言いながら,そのルールを守っていないのを先生が見過ごしていたら「あ,これぐらいは守らなくていいんだ。」というマイナスのメッセージを送ることになります。例えば給食指導。私はおかわりをさせるときに,必ず「〇〇〇をおかわりしたい人何人いますか?」と尋ねさせ,食缶にある分をその人数で分けるようにさせています。「クラスのメンバーは公平である」という私のポリシーを反映させているのです。それは,非言語のメッセージであり,ヒドゥンカリキュラム(潜在的カリキュラム)になります。


 年度初めには,指導しておくべきことがたくさんあります。最初に指導(ファースト・インストラクション)するとき,その場で指導を考えるのではなく,どうするのかをあらかじめ考えておく必要があります。なぜなら,子どもは後で修正するのが難しいからです。また,指導が二転三転すれば信頼を失いかねません。ですから「ファーストインストラクション」を大事にしていきましょう。


 この本では,学級開きを最初の1ヵ月程度ととらえ,そこで何をすればよいのか,どうすれば学級がうまくいくようになるのかについて述べていきます。

著者紹介

佐々木 潤(ささき じゅん)著書を検索»

1962年宮城県生まれ。現在,宮城県女川町立女川小学校勤務。授業づくりネットワーク・東北青年塾スタッフ。お笑い教師同盟・東北支部長。実践研究,講演などを精力的に行っている。「一番受けたい授業」(朝日新聞社編)で全国76人の「はなまる先生」の一人に選ばれる。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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