- 著者インタビュー
- 特別支援教育
マジカルトイボックスというのは東京都立けやきの森学園の前身である「東京都立府中養護学校」で行われた保護者と教員の有志の研究会が始まりです。「障がいが重くてもコミュニケーションしているはず、何とかそれを豊にできないだろうか」という考えのもとにAAC(拡大代替コミュニケーション)の考えを広く普及させようと始まったボランティア団体です。現在の活動の様子は以下のWebサイトをご覧下さい。
- THE MAGICAL TOY BOX
http://www.magicaltoybox.org
マジカルトイボックスで大切にしているのは「できる」「わかる」「楽しめる」です。子どもたちがスイッチトイで遊ぶことで自分が「できる」事を実感し、外へ働きかけることが「わかり」他の人とのコミュニケーションを「楽しめる」ようにすることです。
スポンジボールを飛ばすおもちゃにスイッチを付けてピッチャーの役をやってもらった生徒がいます。しかし、彼はそのボールを自分の方に向けて投げてスイッチを操作し、自分の身体に当たると、とても大きな声で笑って喜んでくれました。外界に働きかけることがなかなかできない彼がこんなに笑うことはありませんでした。能動的な活動をどう作っていくかがスイッチトイのポイントだと思います。
子どもたちが楽しめるおもちゃも、長く売られることはなかなかなく、前述のスポンジボールのおもちゃのように、すぐに手に入らなくなる物も多くあります。そこで、前作で載せていた機器の中で、いまは手に入れることがむずかしい物を削除しました。その代わりに、最近流行になっているタブレット端末に関係する入力装置や補助装置などを追加しています。
信州スイッチラボの杉浦先生が開発した「コトダマ」ですね。
スイッチという概念を破って、転がるだけで音が出るおもちゃです。支援機器でも、スイッチ玩具でもよく使われる物は作りがシンプルです。そうすることで使う人のイメージが広がりますし、様々な場面での利用方法が生まれてきます。信州スイッチラボでも定期的に製作会をしていますのでこちらのWebサイトもぜひご覧下さい。
本書はマジカルトイボックスの活動から生まれました。できるだけわかりやすいように書いていますが、やはり具体的な作り方や使い方についてはイベントに参加してもらうのが1番です。年に2回のイベントを開いていますので、ぜひ時間を作ってご参加下さい。イベントの案内はWebに載っています。
- THE MAGICAL TOY BOX
http://www.magicaltoybox.org
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