「自学力」とは、自らの課題に基づいて解決や解明を図る自主的な学習力を意味します。それは、各教科等に通じる自ら学ぶ学習力を基盤に、各教科等の特色に応じて学習を進めることができる学習力です。義務教育段階において習得すべき学力には、各教科等の基礎・基本となる知識・技能に加え、今述べたような、学習者が主体的、意欲的に学習する学習方法を身に付けることの二つが含まれているのです。実際には、課題を解決したり、解明したり、創造したりする学習過程に必要な言語活動力、各教科等の独自な学習操作、思考力・表現力・情報機器を操作する能力等多様な内容が含まれます。
言語活動の充実は、〈思考力、判断力、表現力等をはぐくむ〉、〈基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視する〉、〈言語に関する能力の育成を図る〉等の企図の基に提言されたものです。言語能力を高めることが中核となる言語活動の充実は、本書で述べるような取り立てて行う自学力の育成の中に統合されて、いっそう強固なものとなるのです。
自学力の育成によって学力が着実に伸びてきたことが挙げられますね。毎年毎年、学力調査の結果が向上しています。各教科等の知識・技能を生かし、活用する能力の基盤である記述力や思考力が高度なものとなっていることは、授業の様子を見た人が必ず驚くところです。また、質問紙等での調査項目についても、バランスのよい方向に向かっています。何より、自主的に動く子どもの様子がほほえましく、かつ頼もしいかぎりです。本校の取り組みに関わって既に6年間となりますので、児童たちにとっては、この学習形態がすべてということになります。教師主導によってあくびしたり、よく分からなくてもノートを写すだけのようなことは決してありません。
各単位時間の授業改善に着手することが第一でしょうね。学習計画によって見通しを与え、学習のめあてや振り返りを児童自身に進めさせること、個人で学習することとグループやクラス全体の学習によって思考を深めさせることとを、ステップを踏んで展開することが必要でしょう。
自主的な学習力は、すべての子どもにとって朗報となります。現在のように、教師が中心となって展開する授業では、活躍する子どもが限られるとともに、理解できる子どもの範囲も限られます。それは、長い間に子ども間の学力差を固定してしまう結果を生み出してしまいます。どうか、本書での取り組みを参考に学校改革を押し進めてほしいと思います。情熱ある教師は、すぐにも本書の問題提起に呼応して立ち上がってほしいと熱望します。すべての子どもを大切にするために。
しかし、現場の教員の仕事を増やしている。
研究のデータを取るために、通常の業務以外に研究関連の仕事が爆発的に増大した。
現場は研究職のための個まではないことを付け加えておく。