著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
生徒がどんどん声を出す「音読マジック」を体験してみませんか?
元・埼玉県立高等学校教諭岡田 順子
2011/8/29 掲載

岡田 順子おかだ じゅんこ

早稲田大学卒業。コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法修士課程卒業。テンプル大学ジャパン博士課程修了。博士論文は、効果的な語彙指導について。埼玉県立高校教員生活20年を経て、現在、予備校にて中学生を指導。ELEC同友会英語教育学会常任理事および、語彙指導研究部長。日本ではまだほとんど行われていない実戦的な語彙活動とテストの開発を手がける。その他、多数の学会に所属。著書に、『授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ7 みるみる語彙力がつく! 魔法の5分間英単語テスト』『授業をグーンと楽しくする英語教材シリーズ12 少しの工夫で効果4倍! 魔法の英語語彙指導アイデア』などがある。

―本書には、英語授業で使える50の音読活動が紹介されています。音読によって、英語力のどのような面が向上するのでしょうか?

 音読は、英語力全ての基礎基本です。音声面はもちろん、英文の意味や仕組みのわかったものを何回も繰り返して音読することによって、英文が自分のものとなり、それが最終的には、自分の英語での発話に繋がっていきます。また、英単語を覚えるのが苦手な生徒でも音読しながら、英単語力をアップさせることが可能です。

―本書では音読活動を3つのパートにわけていますが、それぞれどのような違いがありますか?

 Part1は、音声面を重視してあり、ナチュラルに音読できるようにさせる活動、または、ゲーム的に楽しく出来る活動をそろえてあります。Part2は意味と文の仕組みを理解した英文を比較的ゆっくりしたスピードで、自分のものにすることを目的とした活動が多くなっています。Part3は、最も難しい音読で、音読した英文を再生活動で自分の発話につなげる活動、文法力もアップする活動が中心です。

―本書には、音読活動のほかにワークシートも掲載されていますが、どのように活用することができますか?

 ワークシートは、そのままコピーして使えます。授業準備に時間をとることのできないお忙しい先生方でも、簡単にお使いいただけます。ワークシートの英文がご自分の生徒さんのレベルに合わない場合でも、音読活動のアイデア自体はお使いいただけると思います。実際、高校や大学の先生にも、すでにお使いいただいているアイデアも多数あります。

―どれもイチオシの活動ばかりだとは思いますが、岡田先生オススメのベスト3を教えてください。

 まずは、「音読事始め〜背中合わせ音読〜」です。この活動により、音読の際、生徒が声をださないという悩みのないクラスの雰囲気作りが可能です。これは、そのクラスの1年間の音読活動がうまくいくかを決めてしまう、といっても過言ではありません。2つめのオススメは、「Read and look up」を私なりに少しアレンジを加えた「Read, look up and hold!」です。この活動は、英文の意味と仕組みの分かった英文を自分のものにする目的を達成するのに効果的です。3つめは、比較的誰でもやりやすい、再生活動に近い(=自分の発話に繋がる)「引き算音読」です。この活動もシンプルで時間もかからず、オススメです。
 

―最後に全国で英語を教えている先生方に一言メッセージをお願いします!

 前作で「語彙マジック」にかかっていただいた先生方も、そうでない先生方も、本書では、ぜひ私の「音読マジック」にかかってみてください! 「音読は、英語力の基礎をつくる」のです!!!

(構成:木山)
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • Paul
    • 2011/8/30 0:12:24
    私は高校1年生の50分の授業のうち約20分を音読練習に充てています。@教師の後についてフレーズ毎にリピートACDの後について文毎にリピートB教科書を閉じてShadowingCStand up, and sit down after reading three times.という手順で行っています。その成果がありすぎて1学期の期末考査では平均90点になってしまいました。他教科の同学年の先生方からは「問題が易しすぎるのでは?」という批判の声もありますので次回からは教科書に出て来なかった入試レベルの英文を定期考査に出題して平均点を下げる努力をしようと思っています。
    • 2
    • Micky
    • 2011/8/30 17:27:05
    中学3年の息子が英語が苦手でした。

    ゴスペルを始めてもあまり英語が好きにならない様子でしたが、ネイティブの方と知り合うチャンスがあり英語が話せるようになりたいと興味を持ち始めました。

    今回の岡田先生のインタビューを読んで、息子のモチベーションをアップできるかもしれないと感じました。

    たのしく学べるのが一番ですから。
    早く手にしたいテキストです。
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