- 著者インタビュー
- 学級経営
毎日短時間の活動を継続して行う活動です。内容は、「ありがとうみつけ」、「議題の話し合い」を中心に、楽しいアクティビティなども取り入れます。毎日続けることで、ポジティブに友達と関わったり、ポジティブに問題を解決していったりすることを学びます。ベースは、アドラー心理学や解決思考アプローチなどですが、難しいことがわからなくても「クラス会議」にはたくさんのエッセンスが詰まっているので、やってみるとわかります。すごいですよ。そして、子どもにとってだけではなく、教師にとっても学びの多い活動になります。とにかく、毎日短時間の活動を継続して行うことが大切です。
まずは、一言で言えば自信がつきます。毎日少しずつなので、その時々はわからないことが多いですが、一定期間を経るとそのパワーを感じることができます。それぞれの子どもたちの自信だけでなく、学級肯定感というか「このクラスはいい!」といった感じがジワジワと広がっていきます。あと、毎日ちょっとずつ・・・だけど、何度も何度も困ったことを話し合う経験を通して、実際の問題を解決する力をつけていきます。些細な問題から学び、実際に問題にぶつかった時に「たぶん解決できる!」とポジティブに問題に立ち向かう力がつきます。「クラス会議」を実践すれば、実際に身をもってそのことが感じられると思います。ちょっとした自信と解決の経験が両輪となって、子どもたちはどんどんパワーアップしていきます。
まず「クラス会議」を実践するには、きっちりと時間設定をすることです。毎日確実にできる時間に毎日確実に行うこと、これに尽きます。あとは、基本マニュアルやQ&Aを参考にして始めてみることです。やってみると、マニュアルやQ&Aでは感じられないことを、日々感じることとなっていくでしょう。できれば、同じように実践する仲間を作ってやってみると、アドバイスしあえるのでおすすめです。「こうやらないといけない。」「これが正解!」といったものはないので、身近な方といろいろ議論して作り上げていって下さい。そして、この本をきっかけにして同じ実践をしている全国の仲間同士で、シェアしあい「クラス会議」をいいものにしていきたいのです。
「クラス会議」は、子ども中心の活動ですが、子どもたちにとって安心できる場である必要があります。「クラス会議」を勝手にやらせておけばいいのではなく、常に大切にしたいことから外れていないか、子どもたちは守られているかなどを確認しておく必要があります。もしも、誰かが傷つくようなことがあったり、大切なことからそれてしまったりしている場合、毅然とした介入が求められるでしょう。子どもたちが安全に学べる場や枠を作り、そこで子どもたちを活動させるのですが、時には軌道修正することが教師の大きな役割だと思います。毎日続ける中で、日々悩みながら対応していきます。関わり方が変わった時から、子どもたちの様子が変化することにも気づく時があります。教師も学べる、それが「クラス会議」の良さの1つです。
「クラス会議」は万能の特効薬ではありません。でも、この場があることで、子どもにとっても、教師にとっても、学ぶことはとても多いのです。できれば、近くのお仲間とともに始めれば、お互いの子どもたちへの関わりの良さを学びあえる1つのツールとなることでしょう。この本を読んでいただければ、その良さがわかっていただけることと思います。実際、私も近所の若い仲間たちと実践を交流し、学び合いながらやっています。教師を初めて間もない先生の実践からも「クラス会議」を通して、たくさんのことを学びました。当然、先輩の技もたくさん学ばせていただきました。毎日同じ活動の実践だからこそ、毎日その場がある「クラス会議」だからこそだと思っています。「クラス会議」本当に心からオススメします。是非始めてみて下さい!