著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
科学的な語彙指導を!コーパスワーク誕生秘話
東京学芸大学附属世田谷中学校教諭日臺 滋之ほか
2008/6/13 掲載
 今回は日臺滋之先生、太田洋先生に、新刊『1日10分で英語力をアップする!コーパスワーク56』について伺いました。

日臺 滋之ひだい しげゆき

2000年,東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修了。長野県,東京都の公立中学校教諭を経て,現在東京学芸大学附属世田谷中学校教諭。文部科学省検定教科書『New Crown English Series』(三省堂,共編)など著書多数。

太田 洋おおた ひろし

2002年,東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修了。東京都の公立中学校教諭,東京学芸大学附属世田谷中学校教諭を経て,現在駒沢女子大学人文学部国際文化学科准教授。文部科学省検定教科書『Columbus English Course 21』(光村図書,共編)など著書多数。

―最近、テレビなどでもよく耳にしますが、コーパスとは何でしょう? 簡単にご説明ください。

日臺先生:コーパスとは、LDOCE(2005)によると、書き言葉や話し言葉を大量に集め、言葉の研究に用いたものです。本書は、中学生を対象に授業で行ったskitやspeech、また、日記等の言語活動で行ったスクリプトを収集し、構築したコーパス(これを学習者コーパスと呼んでいます)を使って、英語の授業ですぐに使えるワークシートを提案しています。

―そのコーパスを使ったワークにはどんなよさがありますか?

太田先生:その単語がどのように使われるのかがわかります。一見普通のワークでも一味違います。ワークで問題を解きながら、単語の使い方に知らず知らずの間に親しむことができます。

―本書でコーパスを教材化するにあたって、どんな工夫をされましたか?

日臺先生:本書では3種類のコーパスABCを使って問題を作成しました。コーパスAは生徒の表現できた英語をもとに作成した学習者コーパス、Bは生徒の表現できなかった英語をもとに作成した学習者コーパス、Cは教科書コーパス・英検コーパスです。
 問題編のStep1とStep2は、コーパスAを中心に、コーパスCを加味しながら、Step3はコーパスBを中心に出題しています。解答・解説編の「コロケーション・マップ」でも、コーパスからの頻度情報をもとに語と語との結びつきのパターンをまとめています。

―ということはワークシート部分だけでなく解説部分も充実しているということですね…。解説でのイチオシ部分はどこですか?

太田先生:日臺先生の話にもありました「コーパスからの情報」の部分です。表現力をつけるための情報が満載です。例えば、gameのページでは、gameがどのような動詞と一緒によく使われるのかがわかります。「ここを読むと単語が使えるようになるからお薦めだよ。」と薦めていただければと思います。

―最後に全国で英語を教える先生たちに向けて、一言メッセージをお願いします。

日臺先生:本書では、学習者コーパスを用いた具体的な教材作成についての提案をさせていただきました。本書をとおして、全国の多くの先生方と効果的な教材作成について意見交換できればありがたく存じます。
太田先生:コーパスからの情報を生かした本書を授業内外いろいろな場面で使っていただけばと思っています。生徒の単語力向上に役立つ一冊です。

(構成:木山)

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