教育オピニオン
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子どもたちが進んで取り組む!自主学習のススメ
山口県下関市立一の宮小学校福山 憲市
2020/4/15 掲載

 子どもたちが進んで取り組む自主学習のためのステップ 

ステップ1 前年度の自主学習システムを生かす


 前年度「自主学習システム」を行っていた場合、次のことを確認します。初日から自主学習をさせて、子どもたちの現状をつかみます。可能なら、前年度の自主学習ノートを持ってきてもらいます。

○全員が必ずやってくるか。
○自学の提出の仕方はどうか。
○どのような自学内容をやってくるか。
○ノートの使い方はどうか。
○評価はどうなっていたか。
○友達の自学紹介はどうなっていたか。

 全員がやってこなければ、全員がやってくるように仕掛けます。提出の仕方が曖昧だったら、システム化します。自学内容がドリル型のものばかりだったら、自学内容が多様なものになるようにします。前年度のシステムを活かしながら、変更点を見つけることが第一段階です。
ステップ2 全員経験の場を必ず設定する


 先の確認で一番大切にしているのが「全員」です。全員が自主学習を楽しく取り組んでいるか。嫌々で取り組んでいないかを見ています。「全員力→全力」になることで自主学習が浸透するので、全員が自主学習って楽しい、もっとやってみたいと思うようになる場=全員経験の場を仕掛けます。例えば、次のようなものです。

朝学や授業時間・帰りの時間などを利用して、5〜10分程度の自主学習を経験する時間を設定する。

 これが全員経験の場です。全員が同じことを経験することで、どんな風に自主学習に取り組めばいいかという、共通の話題をもつことができます。
 例えば、下の教材は「カキクケコ」から始まる国を探し、世界地図に色を塗ったり、国名を書いたりするものです。

図1

 まずは、これを全員で調べます。友達と、わいわい言いながら調べます。教え合い自由です。この後は、このプリントをそのままノートに貼って、他の行(例えば、サ行など)の国を友達と調べ続けます。自主学習が進みます。
 まず、全員が同じ経験。そこから、自主学習として発展させる。それを続けることで、自主学習のやり方・内容が見えてきます。

ステップ3 自主学習に取り組む内容に困らないようにする


 自主学習で何をしたらいいか分からない。そんな子どもたちが、結構います。4月1ヶ月は、先の全員経験の場で「こんなものも自主学習になる」という体験をしてもらっています。例えば、こんなものにも取り組ませています。

図2

 「葉っぱ観察」というものです。葉っぱは、身の回りにいくらでもあります。自主学習を続けるのに、ネタに困ることがないくらいあります。たとえ葉っぱのネタが無くなっても、花・茎・根を調べることができます。植物でなく、動物へと目を向けてもいいです。自主学習のネタが、どんどん広がっていきます。全員が自主学習を経験する場では、身の回りに、自学ネタはいくらでもあることを体感させます
 子どもたちに大人気なのは「集め自学」です。下は「牛乳の蓋」。集めて、分析したことを書く。楽しくてならないと言う自主学習です。

図3

 4月までに「(1)前年度の様子をつかみ(2)全員経験の場を設け(3)自主学習内容のネタはいくらでもあると体感させる」、これが大切です。そうすることで、5月から「全員が毎日喜んで、進んで出す自主学習」になります。
 たとえ、ここに紹介した「3つのステップ」を4月に踏むことができなくても大丈夫です。何月スタートでも、この3ステップを大切にすることで、子どもたちの自主学習への取り組みは確実に変わっていきます。
 更に細かな資料やステップは、拙著『自主学習システム&ノート作成法』(明治図書)に書いています。関心のある方は、一読いただけると幸せです。

福山 憲市ふくやま けんいち

1960年山口県下関市生まれ。広島大学卒業。山口県下関市立一の宮小学校教諭。現在、「ふくの会」というサークルを33年継続。「ミスをいかす子ども達を育てる研究会」も組織し、ミス退治運動を進行中。著書に、『自主学習システム&ノート作成法』『国語授業が100倍盛り上がる! 面白ワーク&アイテム大事典』『全員が喜んで書く!作文指導のネタ事典』『15分で国語力アップ!小学校国語科アクティブ・ラーニング型面白ワーク60』『20代からの教師修業の極意〜「出会いと挑戦」で教師人生が大きく変わる〜』『スペシャリスト直伝!学級づくり“仕掛け”の極意』など多数。

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