- まえがき
- 第1章 低学年の作文指導のネタ
- 1 「学んだことを喜んで書き残す」作文指導のネタ
- @動物のふしぎ書き書き作文
- A面白い名前のもの作文
- B九九がいっぱい作り話作文
- C空を見ました!何度も見ました作文
- D学校の行き帰り発見作文
- E友達の姿にあこがれ作文
- F心を伝える手伝い作文
- Gテレビから一つ学び作文
- 2 「分析を楽しむ」作文指導のネタ
- @図書室の本から題名にこだわり作文
- A指先じっくり観察作文
- Bお菓子の袋をじっくり見て見て作文
- C話者になって自分に声かけ作文
- Dチェックチェック漢字チェック作文
- E何に使えるかな作文
- F絵の中からまちがい見つけ作文
- G聞き書き昔のこと作文
- H詩のヒミツを考えた作文
- 3 「創造・挑戦して書くことを楽しむ」作文指導のネタ
- @どれだけ漢字にできるかな作文
- A○○の○○作文
- Bカラーバス効果で色や形にこだわる作文
- Cいっぱい「かける」作文
- D絵を見てミニミニ物語作文
- 第2章 中学年の作文指導のネタ
- 1 「学んだことを喜んで書き残す」作文指導のネタ
- @木をじっくり観察作文
- A親子会話で学んだこと作文
- B自分の伸び伸び成長作文
- Cみんなありがとう作文
- D街中のものからじっくり発見作文
- E気になったこと質問作文
- F臨場感のある掃除風景作文
- G心に残る先生の言葉作文
- H動作三十秒再現作文
- I映像から素敵な言葉学び作文
- 2 「分析を楽しむ」作文指導のネタ
- @教科書文前もって分析作文
- Aマーク分析作文
- Bなぞなぞの答えを探る作文
- C宣伝の言葉分析作文
- Dテレビ番組ユニークな名前分析作文
- Eことわざ分析作文
- F街の中の小さな心づかい探し作文
- G身の回りのポスター分析作文
- H言葉のちがいを分析する作文
- I社会のたとえ言葉探り作文
- 3 「創造・挑戦して書くことを楽しむ」作文指導のネタ
- @笑顔を生み出すダジャレ作文
- A絵の描き方を説明する作文
- B今日は何の日作文
- Cさあ!君は先生だ作文
- D作り方の説明に挑戦作文
- Eわらじ作りのような体験に挑戦作文
- F続き辞典作文
- 第3章 高学年の作文指導のネタ
- 1 「学んだことを喜んで書き残す」作文指導のネタ
- @使用上の注意作文
- A月の変化を観察する作文
- B夏休みに毎日葉書作文
- C給食に出たもの学び作文
- D身の回りの科学面白発見作文
- E手話などボランティア体験作文
- F熱中奉仕活動を細かく描写作文
- Gものの名前から昔の名調べ作文
- H切手の図柄をじっくり見つめる作文
- I矢印を使った作文
- 2 「分析を楽しむ」作文指導のネタ
- @コマーシャルの言葉分析作文
- A担任の先生レポート風作文
- Bお土産の面白い名前を分析作文
- C気になる漢字の分析作文
- D新聞の見出し分析作文
- E街中標語分析作文
- Fお菓子の原材料から社会学び作文
- G文章のくらべっこ分析作文
- H心に響く歌詞を分析作文
- 3 「創造・挑戦して書くことを楽しむ」作文指導のネタ
- @一年生に伝えるうまい説明挑戦作文
- A歯は骨か家族自学問題作文
- B○か×かどうするか作文
- C見たら見える活動に挑戦作文
- D説明算数挑戦作文
- E缶から漢字発見作文
- F何に使う道具かあてっこ作文
- Gテーマをミニ論文風に考える作文
- あとがき
まえがき
今から十年前『作文感覚を磨き作文ミスを減らす指導法』(明治図書)という本を書きました。その「まえがき」にこんなことを書いています。
本著は、作文がうまくなるための本ではない。少しでも、作文が好きになるための本である。少しでも、書くことの楽しさを味わうための本である。(途中略)作文指導は難しい。高いレベルをねらえば、子どもたちは、作文を嫌いになってしまう。【作文】と聞いただけで、心が逃げてしまう。本著は、高いレベルをねらってはいない。書くことを楽しむことができればいい。
ここに書いた思いは、今も変わりません。
新採の頃から三十数年ずっと、子ども達が書くことを楽しむ姿を追い続け、作文指導を積み重ねてきました。その積み重ねの中から低・中・高で実践してきた【七十六の作文ネタ】を紹介したのが、本書です。
もちろん、単なるネタ本ではないです。
子ども達が書くことを楽しみ、段々と作文を書く面白さにはまっていく【四つの仕掛け】を盛り込んでいます。
仕掛け@ 何度でも使用可能な作文ネタ
◎紹介している作文ネタは、一度使用したら終わりではないです。ネタの内容を少し変えるだけで、何度でも同じようなテーマの作文を書けるようになっています。
◎例えば、作文ネタ【低学年1─@】は「動物のふしぎ書き書き作文」です。授業では、キリンを扱っていますが、他の動物に変えると、いくらでも作文を続けて書くことができます。
◎ちなみに、子ども達は、授業で扱った後に【自学のネタ】として作文ネタを活用し、何度でも同じパターンの作文を書き続けます。作文を書くことに、自然と慣れていく場となっています。
仕掛けA 気軽に使える作文ワーク
◎作文指導の時、ノートに書かせるか原稿用紙に書かせるか、何に書かせるか迷うことがあります。本書は、すべて作文ワークという形で書かせる形をとっています。本書の作文ワークを、ちょっと印刷して配布することで、すぐに作文ワールドに入ることができます。
◎作文ワークには【作文のコツ】がすべて書いてあります。コツを読めば、どのように作文を書けばいいかのポイントが分かるようになっています。家に帰って作文を書く場合でも、保護者の方がどのような声かけをすればいいか、【作文のコツ】からつかむことができます。
◎【〇枚目】という言葉を入れています。一つの作文ネタで、何枚書けたかを「見える化」しています。何枚もたまることで、書くことに対する自信が生まれます。
◎おまけとして【イラスト】を入れています。イラストがあることで、作文を書き終わった後に、色つけをする子が出てきます。作文に色があるだけで、読み手の目をひきます。
仕掛けB 手本になる作文例
◎福山学級の児童が書いた作文を紹介しています。字数の関係ですべてを紹介できていませんが、この【作文例】を手本に真似させるだけでも、確実に作文を書くことが上達していきます。
仕掛けC 作文を書かせる時の様子をイメージしやすい作文指導のポイント
◎福山学級の作文指導の様子を、簡単に紹介しています。どのような流れで、作文ネタに取り組ませたかが分かるようになっています。特に、子ども達に提示した時の様子を話し言葉で紹介しています。
実は、この四つの仕掛け以外に、欠かしてはいけない【大仕掛け】があります。それは、これです。
大仕掛け 徹底的に褒める声かけ(コメント)とおしいの一言
作文指導に欠かせないのが、作文を書かせた後の声かけ(コメント)です。とにかく、徹底的に褒める。褒める点を探す。これを心がけています。
作文ネタに挑戦したこと、書いたことがすばらしい。書き続けたことが、すごい。その気持ちで徹底的に声かけ(コメント)をします。
ただ、必ず「おしい」の一言を、形を変えて入れるようにしています。
「おしいなあ、ここでもう少し気持ちが入るといいなあ。」
「うわー、いい書き方しているけど、ここをもう少し詳しく書いてくれるとありがたいなあ。」
「うまいねえ、でも、ここでたとえ言葉を入れると最高にいい作文になるけどなあ。」
こんな一言で、さらなる挑戦を生み出すように、仕掛けています。
これらの仕掛けを通して、一年間かけて子ども達を作文大好きっ子に育てていく。その「道」は長いですが、楽しい道のりです
子ども達の作文に対する取り組みが、着実に変わっていくからです。
ぜひ、本書の紹介している【七十六の作文ネタ】を試してみてください。一年間、試し続けてみてください。
子ども達の作文に対する心が、少しずつ変わっていく様子を味わっていただけるとありがたいです。
/福山 憲市
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