堀江式 国語授業のワザ
国語授業のお悩みをズバッと解決!“ワザの堀江”先生が指南する、堀江式の大ワザ&小ワザが満載!
堀江式 国語授業のワザ(2)
書くことがない子どものための「日記・作文メニュー表」
兵庫教育大学大学院教授堀江 祐爾
2012/7/5 掲載

【日記・作文】

「日記」を書かせているのですが、しだいにパターン化してしまい、「書くことがありません」という子どもが出てきました。こういう場合は、どうすればよいのでしょうか?

ココがポイント!

何も書く題材がないときでも、書ける支援をする

 「どの学年を担任しても2日か3日に1回のペースで日記を書かせています。書くことに抵抗がある児童は、何をどう書いてよいかわかりません。そこで、子どもが書いてきた日記の題材をもとにメニュー表を作っています。このメニュー表は子どもから出てきたものなので、その年によって違います。これなら、何も書く題材がないときでも、書けるようになります。」兵庫県赤穂市立原小学校・塩江理栄子教諭の言葉です。

効果抜群! 堀江式 大ワザ&小ワザ

ワザ1 「日記メニュー表」を作る

 塩江先生の学級(4年生)で作られた「日記(・作文)メニュー表」は、次の通りです。子どもが実際に書いてきた日記の題材をもとに作るので、学級の他の子どもにとっても、書いてみたい!と思うメニューが並びます。

日記(・作文)メニュー表

  1. 家ぞくしょうかい
  2. ふしぎ日記
  3. ○○のひみつ
  4. 本のしょうかい(あらすじ おすすめ テーマ)
  5. みんなのいいところ
  6. あったらいいな○○○
  7. あいさつ日記
  8. かんさつ日記
  9. ○○の作り方日記
  10. 今日の勉強で感じたこと
  11. 日本一周旅物語(都道府県名を入れて)
  12. お気に入りナンバー3
  13. ランキング作文
  14. 私は思った…
  15. 国語の本「漢字の広場」を見ながら

日記例1 12.お気に入りナンバー3

日記例1
ぼくのお気に入りランキング
 今から、ぼくのお気に入りを紹介します。第5位は、祭りで当たった「風船バット」です。理由は、おねえちゃんにしゅぎょうをしてもらえるからです。
 そして、第4位は「スライム」です。理由は、ぼくとおねえちゃんとの手作りだからです。

日記例2 15.国語の本「漢字の広場」を見ながら

日記例2

青字が使う漢字

国語の本 漢字の広場の漢字を使って
 私の名前は、さゆか。今日は平成二三年六月三日。いろいろな町に行っています。
 今日は電車でニコニコ市まで来ました。でパンフレットを取って、どこへ行こうかとまよっていると、「グー」。さゆかは、おなかがすいたので、パンフレットにものっている人気ナンバー1のたいやき屋に行きました。行にならんで、5こたいやきを買いました。

ワザ2 「日記メニュー表」をバージョンアップしていく

 上記のようなメニュー表を提示することによって、子どもたちは、このメニュー表以外にも、ミニ人権作文・ちがいくらべ日記・のはらうた日記・ことわざ入り日記・赤穂ガイドニュース番組日記・文章構成表付き日記など、自分たちで次々と日記・作文の題材を生み出しました。それらを、随時メニュー表に加えバージョンアップしていくことによって、子どもたちのやる気はますます高まりました。
 教師ではなく、子どもたち自身が「書きたいことがら」を見つけているので、「書くことがない」ということがなくなります。

堀江 祐爾ほりえ ゆうじ

兵庫教育大学大学院教授、元中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会国語専門部会委員、平成20年版中学校学習指導要領(国語)作成協力者、「国語教育の実践と研究をつなぐ会」世話役代表。
主な著書に『「国語力」向上の授業改革1 国語科授業再生のための5つのポイント』『小学校新国語科 言語活動の展開がよくわかるシリーズ1 書く力がぐんぐん伸びる!「言葉のワザ」活用ワーク』、などがある。

(構成:林)
コメントの一覧
7件あります。
    • 1
    • けい
    • 2012/7/6 10:03:47
    毎回教師が書く内容を決めていると、子どもたちにとって、日記が面倒な課題になってしまう。このような「メニュー表」があると、楽しんで取り組ませることができそうだと感じた。子どもたちが書いてきた題材から「メニュー表」を作っていけば、例えば、「ふしぎ日記」とは、どのような日記で、どのように書くとよいのかということも、実際の日記という具体物を示すことができる。子どもたちも、友達が書いたのだから自分も書きたいという気持ちになるだろう。
    • 2
    • はまっち
    • 2012/7/6 23:20:40
    これまでに「メニュー表」を作ったことはありましたが、教師が考えたメニューを示していました。子どもたちが書いてきた題材から「メニュー表」を作るというのは、目からうろこでした。確かに、自分の書いた日記がメニューになれば、子どもたちの意欲は高まり、主体的に取り組めると思いました。さらに、バージョンアップしていくというのがミソですね。ぜひやってみたい!と思います。
    • 3
    • 9+2+?(←兆←億)
    • 2012/8/27 23:01:15
    作文、日記を書かせているとマンネリ化するので、「メニュー表」があれば子どもは作文を書きやすいと思いました。特に「漢字の広場の漢字を使いながら作文を書く」という方法は、作文も漢字の練習もできるので、自分の学級で実践してみたいです。「メニュー表」が子どもから引き出される形でバージョンアップしていくというのも、子どものやる気を高めると思います。
    • 4
    • ドラゴン
    • 2012/9/6 21:02:17
    バージョンアップしていく子どもたちが考えた「日記メニュー表」があると、常に新鮮な気持ちで日記を書くことができると思います。日記の内容的は,生活作文だけではなく、意見文や創作物語などになっていくメニューもあり、自由に楽しみながら続けることができるヒントになりました。
    • 5
    • けいちゃんまん
    • 2012/9/9 6:28:51
    1年生は、ほぼ毎日日記を宿題にしています。子どもや保護者から、「先生、毎日宿題だと書くことがないのです。」という相談を受けることがおおくあります。「何を書いてもいいのですよ。」と話していますが、やはりこまっているようです。このようなメニュー表を子どもたちといっしょに作るとこまったときに使えますね。さっそくみんなと話し合って、作りたいと思います。
    • 6
    • みかん
    • 2012/10/5 19:17:08
    4月の最初に100種類書いて日記帳に貼りました。
    でも、気に入ったテーマばかり書いてしまうので、小出しも必要だと思います。
    • 7
    • がま
    • 2013/1/2 13:43:26
    日記のメニュー表を作ることで、子どもたちが日記に取り組みやすくなっていることに感心しました。これは子どもたちの日記から引き出されたものなので、さらに良いと思います。随時バージョンアップするメニュー表なのもいいですね。
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