リトミックで音楽授業!
リトミックが初めての先生もOK! 映像とワンポイントアドバイスで、だれでも楽しい音楽授業があっという間にできあがります。
リトミックで音楽授業!(4)
音色を深く味わう感性を高めましょう
国立音楽大学准教授井上 恵理ほか
2013/9/10 掲載

ウッド・ブロックとトライアングルの音色を聴いてふさわしく動く

対象
小学校低学年から
学べる要素
音色、リズム、変化

 世界にはさまざまな音があふれています。その音の中から、自分の好きな音を見つけたり、音の変化の面白さや美しさを感じ取ったりできたら、人生が一層豊かになります。この学習は、音色やリズム、変化、場合によっては音の重なりあいの面白さを動きながら味わい、音への感性を高めます。

「楽器の音色や特徴を聴いて動く活動」『リトミックでつくる楽しい音楽授業』付属DVDより
(クリックすると映像がストリーミング再生されます。)

※上の映像をクリックしても再生できない場合はこちらの映像をお試しください。

 まずはウッド・ブロックとトライアングルを実際に鳴らして、それぞれどのような感じがするかを児童に問いかけることから始めるとよいでしょう。そして、映像を見せてもよいし、児童の一人が楽器を鳴らして教師が動いてもよいので、音に合わせて動くことを理解させます。ここまで分かれば、児童は豊かな発想力で、楽しく動きます。楽器を鳴らす役と動く役をどちらも経験できるように展開しましょう。
 さらに逆の活動も取り入れてみましょう。つまり、まず自由に体を動かし、その動きを見ながらウッド・ブロックやトライアングルを鳴らします。体を動かす児童はどのように鳴らしてほしいかという思いをもち、楽器を担当する児童は相手の想いを受け止めて鳴らすという価値ある学習となります。

リトミックってなぁに?

 リトミックとは、スイスの作曲家エミール・ジャック=ダルクローズ(1865-1950)の創案した音楽教育法です。
 音を聴き、感じ、身体から音楽を理解し、さらに音楽を通して心身ともに情緒豊かな人間を育てること、身体全体からわき出てくるような喜び、うれしさ、楽しさを奏で、そこから音楽を創ること、表現することの素晴らしさを体験し、音楽の感性を高めます。

井上 恵理いのうえ えり

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。ジュネーヴ・ジャック=ダルクローズ学院卒業。ダルクローズディプロマ取得。国立音楽大学准教授。玉川大学非常勤講師。「リズムの森」総合指導主任。日本ジャック=ダルクローズ協会副会長、全日本リトミック音楽教育研究会本部講師。
著作として『“体を楽器”にした音楽表現 リズム&ゲームにどっぷり!リトミック77選』(共著、明治図書、2006)、『アクション&ビートでつくる音楽鑑賞の授業』(共著、明治図書、2007)、『DVD ジャック=ダルクローズのこどもたち』(訳、響、2004)などがある。

酒井 美恵子さかい みえこ

国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。東京都の公立中学校の音楽科教諭及び指導主事を経て現在、国立音楽大学准教授。日本音楽教育学会、日本学校音楽教育実践学会などに所属。
著作等として『中学校音楽科新学習指導要領ガイドブック』(共著、教育芸術社、2008)、『中学校新学習指導要領の展開 音楽科編』(共著、明治図書、2009)『中学音楽が魅力的に変わる!授業プランの新モデル24 第1学年編』『同 新モデル30 第2・3学年編』(何れも編著、明治図書、2010)などがある。

(構成:木村)
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