リトミックで音楽授業!
リトミックが初めての先生もOK! 映像とワンポイントアドバイスで、だれでも楽しい音楽授業があっという間にできあがります。
リトミックで音楽授業!(2)
拍を感じて他の要素も味わってみましょう
国立音楽大学准教授井上 恵理ほか
2013/7/10 掲載

クラップまわしをする

対象
小学校低学年から
学べる要素
拍の流れ、強弱、速度

 クラスのみんなで拍の流れにのって音楽を表現したり音楽を聴いたりすると、あら不思議、仲間と一緒という気持ちになります。
 音楽はコミュニケーションの手段のひとつといわれます。その第一歩は拍の流れにのってみんなで楽しむということかもしれません。拍の流れにのることは、低学年から十分に経験させ、身に付けさせたい力です。拍の流れには遅い流れも速い流れもあります。徐々に速さが変化することもあります。最初は、同じ速さで規則正しく流れる拍にのる活動から始めますが、慣れてきたら、流れの速さが変化する拍にのりましょう。変化を聴きとろうとして活動が集中し、また面白いものになります。

「拍を感じる動き」『リトミックでつくる楽しい音楽授業』付属DVDより
(クリックすると映像がストリーミング再生されます。)

※上の映像をクリックしても再生できない場合はこちらの映像をお試しください。

 ピアノ演奏が得意な先生は、その力を十分生かしていろいろな楽しい曲を演奏しながら、映像のようなクラップまわしを取り入れてみましょう。他にも歩いたり走ったりすることができる教室環境であれば、音楽の変化にあわせて歩いたり走ったりして、拍を感じながら様々な音楽の特徴を実感させましょう。
 ピアノ演奏が得意ではないという先生も大丈夫。歌ったり、打楽器でリズムをたたいてもいいでしょう。CDなどの音源を使ってもいいでしょう。
 教師も児童と一緒に拍の流れを楽しみましょう。先生の明るい表情とともに拍にのって音楽を楽しむ姿は、児童にとても大きなよい影響があります。
 選曲の留意点は、児童が無理なく拍の流れを聴き取ったり感じ取ったりしやすい曲想や速度の曲を演奏したり選んだりすることです。

リトミックってなぁに?

 リトミックとは、スイスの作曲家エミール・ジャック=ダルクローズ(1865-1950)の創案した音楽教育法です。
 音を聴き、感じ、身体から音楽を理解し、さらに音楽を通して心身ともに情緒豊かな人間を育てること、身体全体からわき出てくるような喜び、うれしさ、楽しさを奏で、そこから音楽を創ること、表現することの素晴らしさを体験し、音楽の感性を高めます。

井上 恵理いのうえ えり

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。ジュネーヴ・ジャック=ダルクローズ学院卒業。ダルクローズディプロマ取得。国立音楽大学准教授。玉川大学非常勤講師。「リズムの森」総合指導主任。日本ジャック=ダルクローズ協会副会長、全日本リトミック音楽教育研究会本部講師。
著作として『“体を楽器”にした音楽表現 リズム&ゲームにどっぷり!リトミック77選』(共著、明治図書、2006)、『アクション&ビートでつくる音楽鑑賞の授業』(共著、明治図書、2007)、『DVD ジャック=ダルクローズのこどもたち』(訳、響、2004)などがある。

酒井 美恵子さかい みえこ

国立音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。東京都の公立中学校の音楽科教諭及び指導主事を経て現在、国立音楽大学准教授。日本音楽教育学会、日本学校音楽教育実践学会などに所属。
著作等として『中学校音楽科新学習指導要領ガイドブック』(共著、教育芸術社、2008)、『中学校新学習指導要領の展開 音楽科編』(共著、明治図書、2009)『中学音楽が魅力的に変わる!授業プランの新モデル24 第1学年編』『同 新モデル30 第2・3学年編』(何れも編著、明治図書、2010)などがある。

(構成:木村・青木)
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