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どれだけ知ってる? 注目の教育用語
〜「EdTech」「STEM・STEAMS」「Society 5.0」〜
教育zine編集部鈴木
2018/8/31 掲載
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 学習指導要領が改訂され、その移行期間へと入っています。新しい総則では、これからの「予測が困難な時代」に「新たな価値を生み出していくこと」が子どもたちに期待される、という姿勢が示されました。グローバル化の進展や、スマートフォンの普遍化、AI技術等の絶え間ない技術革新など、私たちを取り巻く環境はまさに目まぐるしく変化しています。
 しかし、実は日本はアメリカや中国と比べて、こうした高度な情報技術等を学校教育に取り入れる動きが大きく遅れていると言われています。そういった背景のもと、経済産業省は「『未来の教室』とEdTech研究会」を立ち上げ、先日第1次提言を発表しました。その中で、学びの生産性を上げるための教育イノベーションについて意見をまとめ、問題提起をしています。

しかし、今日、世界中で EdTech による教育イノベーションが進み、STEM/STEAMsを通じた「経験と教科の融合」や、ビッグデータと AI の助けを得た「学習の個別最適化」を実現できる可能性は高まっている。こうした日本 の教育の歴史に隠れた本質的な論点を見つめ、テクノロジーの力を借りて再び、あるべき姿への挑戦を進めるべきであろう。
―出典:「未来の教室」とEdTech研究会 第1次提言(H30.6)

 ところで、この提言の中には、EdTechをはじめ最近目にするようになった新たな教育用語が多く用いられています。ここではそのいくつかについて、ご紹介していきます。

◆EdTech

 EdTech(エドテック)とは、「Education(教育)+ Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語です。
 eラーニングやICT教育といった言葉は耳にすることがかなり増えてきましたが、それらはPC・タブレットでインターネットを利用して学習したり、プログラミングの考え方を学んだりするものです。EdTechは、それらも含めた様々なテクノロジーを使って、学び方そのものにイノベーションを起こす取り組みを指します。双方向通信が可能なネット環境やAI技術、VR技術などを組み合わせ、より高い効果を生み出せる学びのシステムを作る変革を起こそうという動きです。
 他にも、同じ考えた方で「〇〇テック」という言葉が色々な業界で使われています。金融のFinTech(フィンテック)、医療のHealthTech(ヘルステック)、農業のAgriTech(アグリテック)など業種は様々。特にFinTechは、話題になった仮想通貨やスマホでの決済サービスの普及など、既存の金融システムを変える可能性があるものとして注目されました。

◆STEM(STEM教育)

 STEM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)のそれぞれの頭文字を取った理数教育の総称です。これからやってくる新しい時代を乗りきるためには、科学的リテラシーを高める教育が重要となります。単に理数分野を重点的に学ぶのではなく、実用的なものの仕組みを理解するエンジニアリングの視点をもって,理科や数学の活用力をより高めていくことが求められます。小学校でのプログラミング教育の導入は、まさにエンジニアリングの導入として必須のものと言えます。
 現代では、いつでもどこでもインターネット環境を使って簡単に調べ、情報を得ることができます。さらにAI技術が発達してくれば、学習データを解析することで各教科の学習を一人一人に最適化し、基礎学力の習得にかかる時間を大幅に短縮できるのではといわれています。知識の習得が今より効率的に行われる一方で、教室では課題解決型学習により、自分の考えを試行錯誤する探究型の学習がより必要になってくるかも知れません。

◆STEAMS(STEAMS教育)

 STEMにArt(美術)やSports(スポーツ)を加えたものをSTEAM教育、またはSTEAMS教育といいます。より広い領域で課題を考え、児童生徒自身が中心となって、教科と経験を結びつけて新たな学びを創り出す力を育み、独創性・創造性を高めることをねらいとしています。

◆Sociaty 5.0

 これまでの私たちの社会を、

  • 狩猟社会…Society 1.0
  • 農耕社会…Society 2.0
  • 工業社会…Society 3.0
  • 情報社会…Society 4.0

としたとき、情報社会に続く新たな社会をSociety 5.0と呼んでいます。国の第5期科学技術基本計画において、目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会だとされています。具体的には、

  • IoTですべての人とモノがつながり、新たな価値がうまれる社会
  • イノベーションにより、様々なニーズに対応できる社会
  • AIにより、必要な情報が必要な時に提供される社会
  • ロボットや自動走行車などの技術で、人の可能性がひろがる社会

が提唱されています。この来るべきSociety 5.0に向けた人材育成を考えることがポイントとなりそうです。

 あるデータによると、日本はIoTやAI技術の進化によって、2020年にはIT人材が37万人不足するといわれています。IT人材教育の環境整備は、先進国の中でもかなり遅れをとっているのが現状です。小学校でのプログラミング教育を皮切りに、これからの教育課題となりそうです。
 まだなかなか馴染みのない言葉もありますが、学校教育に大きな変化が求められるこの時期、様々な場所で、学習指導要領やEdTechを題材にした学習会やイベントが盛んに開催されています。興味がある方は、この機会に一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。今先生方が不安に思われていることの、糸口がつかめるかも知れません。

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