きょういくじん会議
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子どもの「意欲」を育む取り組み―新聞を活用して
kyoikujin
2010/8/26 掲載
新聞わくわく活用事典 NIE・新聞学習のヒントがいっぱい!

 「学ぶ意欲」の重要性が叫ばれるようになって久しいですが、教育界では、子どもの学ぶ意欲を喚起させる取り組みが多く行われています。そのひとつとして、新聞の活用について考えてみます。

新聞を使った課外授業

 13日の読売新聞の記事で、新聞を使った課外授業が紹介されています。対象は小学6年生の児童と、その保護者。授業は、新聞を読むだけではなく新聞を活用して「自ら調べる意欲を育む」ことを目的として行われました。
 内容は新聞記事を保護者の方と読み、そこから連想される四字熟語を考えたり、感想を書いたりするというもの。上記の記事では、この授業の主催者の岸尾教諭の「思考のきっかけや、国語の力を伸ばすために新聞は使えます」という言葉も紹介されています。

新聞を「読む」だけではない

 小学生のお子さんに「新聞を読みなさい」と言っているご家庭は多くはないと思います。小学生にとって、漢字や政治用語の多い新聞を読むことは少々難しいかもしれません。
 しかしこの取り組みは、新聞を読ませることが目的ではありません。インターネットや辞書その他の書籍などを活用して、興味を持ったこと、分からないことを調べながら読むのがポイントです。したがって、何も難しい政治の記事を題材にすることはありません。例えばスポーツが好きなお子さんならスポーツ記事。甲子園の優勝校の県について調べてみる。子どもが「知りたい」と思える内容を取り扱うのです。

この活動から何を得るか

 初めのうちは保護者や先生のフォローが不可欠です。興味のある記事探しを手伝ったり、そこから何を掘り下げるかを提示しましょう。
 やがて、新聞記事に限らず自ら調べようとする癖がつけば、子どもはどんどん新しい知識を吸収していきます。感想を書かせたり記事や調べたことを要約させたりすることで、表現力や読解力の育成にも繋がります。また、新聞を読むという習慣作りのキッカケにもなるかもしれません。
 いずれにしても、子どもたちに「知ること、伝えることって楽しい!」ということを味わわせ、自ら学ぶ意欲を喚起させたいものです。分からないなら諦める、ではなくまず調べてみる、考えてみる。それが出来る子どもたちに育って欲しい、そう願うのは筆者だけではないと思います。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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