きょういくじん会議
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学力調査、大人にも!? 初の国際成人力調査に日本も参加
kyoikujin
2009/11/27 掲載
図表でみる教育 OECDインディケータ(2009年版)

 日本の学力低下が問題視されるきっかけとなった2003年の国際学力到達度調査(PISA)。日本は2000年の同調査より大きく順位を落とし、学習指導要領の見直し、学力調査テストの実施などの対応を迫られることとなりました。子どもの学力低下を憂い、何とか学力を上げようと奔走する大人たち。しかし、ひょっとしたらその学力低下、子どもだけの問題ではないのかもしれません!
 これまでほとんどデータがなかった成人の学力を調べるため、「大人のための国際学力調査テスト」が行われることになったようです。

 18日の読売新聞の記事によると、日本は、OECDが2011年に行う、国際学力到達度調査(PISA)の成人版「国際成人力調査(PIAAC)」への参加を表明したそうです。参加各国の16〜65歳までの成人5000人を対象に、「読解力」「数学力」「情報技術(IT)を活用した問題解決能力」といった項目の調査が行われるとのこと。学歴や年収などもデータとして扱われるそうで、結果次第では、より大きな社会構造の見直しが求められる可能性もありそうですね。

 冒頭にも書きましたが、2003年の国際学力到達度調査では日本は「科学的応用力」「数学的応用力」「読解力」各項目で軒並み順位を落とし、PISAショックとも呼ばれる衝撃が教育界に走りました。
 子どもの学力の国際順位だけに一喜一憂して教育方針をコロコロと変える、という事態は好ましいものではないように思います。その教育方針のもとに育った子どもがどのような思考力を身につけた大人になるのか、また、これからの国際社会で生きていくためにはどのような力が必要になるのかを、今後はしっかりと見極めていくことが必要になりそうです。
 この「成人力調査」をきっかけとして、これから子どものデータだけでなく、大人のデータも継続的に集めていくことで、日本の教育の進むべき道が見えてくるのかもしれませんね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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