
今や全国に163万人もいるとされる「引きこもり」。この大きな社会問題は昨年5月の記事でも取り上げたとおり、長期化、高齢化によって深刻さを増しています。この事態を少しでも解消するべく、今年の4月から新設された資格がひきこもり支援相談士です。
ひきこもり支援相談士認定協議会によると、ひきこもり問題は当事者とその家族だけでは解決するのが難しいそうで、第三者による訪問サポートが求められているのだとか。引きこもり支援は、以前から各民間団体などで実施されてはいたものの、その方法は統一されておらず、必ずしも専門的な知識に基づいた対応をしているわけではなかったようです。
そこで誕生したのが「ひきこもり支援相談士養成講座」。受講形態は通信制のみで、まずはテキスト、講義が収録されたDVD、問題集などが送付されてきます。講義は医学博士の中垣内正和氏ら7名が担当しており、ひきこもり問題についての基礎知識、対応方法、事例研究を段階的に学んでいきます。その後、問題集で過去の事例演習を行い、最終的に課題を提出。認定協議会の審査をパスすれば、晴れて合格となるのだそうです。
この資格を取ると、4月1日から全国に常設されている「ひきこもり地域支援センター(仮称)」で、ひきこもりをしている当事者や家族へのカウンセリング、サポートなどが行えるようになり、ひきこもり支援相談士としての経験を積むことができるようなシステムになっています。
現在の受講者は約1,000人とのこと。そのうちの多くは引きこもりの家族、そういった教え子を持つ教師などだそうですが、おそらくその中には過去に自分がそうだったという、引きこもり経験者もいるのではないでしょうか。自分は引きこもりから抜け出せたんだ、という一番の成功例を持ってサポートを行えば、多くの引きこもり問題を解決する手助けになるはずです。
夏以降に続々と生まれることが予想される、ひきこもり支援相談士。果たして、163万人の悩める人々を日のあたる世界に連れ出してくれるのでしょうか。講座受講料:35,000円・資格認定料:5,000円(有効期間1年)。
ひきこもり支援相談士は、専門家の集団という雰囲気ではありません。
専門家というと、臨床心理士や保健士、看護士と病気に密接してきた資格の方だと思います。病気関係の資格を取るには、多大な費用と時間、能力が必要です。一般の子供支援の活動をなさっていたり、これから参加したいという方には、そんな資格は手が届かないのです。
ひきこもり支援相談士は、民間の支援者に取っていただける資格です。「ひきこもり」の実態を知れば、すべての人が病理的なものではないとわかってくるのです。ここがとても大切なことなのです。病理関係の資格取得者のみが「ひきこもり」を取り扱うというのは、間違っていたのです。
ひきこもり支援相談士の大きな役目はサポーターなのです。誰もが資格をとれて、積極的に関与する。その人数は多ければ多いほど良いのです。
とつぜん引きこもりになったわが子を思い涙する母親、驚愕する父親、診断を受け、病名を付けられて不安に駆られる当事者。
そんな人たちのサポーターとして「ひきこもり支援相談士」は存在します。
応援よろしくお願いします。
ひきこもり支援相談士認定協議会localarea支部
http://jisedainet-k.org/