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長い間、ソーシャルスキルトレーニングや教育法を研究する中で、「あそびに勝るものはない」という思いが私の中にありました。あそぶことで友達とかかわり、友達を理解し、相手の個性に合わせた接し方を覚えたり寛容な気持ちを高めていったりする様子を、いつも子どもたちの傍で見てきたからです。
ただ残念なことに、子どもにとってのあそび時間は、限られたものになりつつあります。放課後は習い事などがあり、子どもたちが友達とともに過ごす時間はほとんどありません。ですから、学校の休み時間が子どもにとっての唯一のあそびの時間となっているのです。しかし、休み時間そのものが短いことや、全員があそびに参加しているわけではないことを考えると、十分なあそびが確保されているとはいえない現状があります。
また、子どもたちは、ワクワクドキドキすることで意欲的になり、自ら学ぼうとする力を伸ばしていくことができます。言葉で説明して頭で理解させるより、心も身体も動かして主体的に学び取ることのできるアクティビティは、現代の子どもたちにとって相応しい学び方のひとつといえるのです。
このような背景から、学校生活の中で教師が意図的にアクティビティを取り入れていくことは、今後ますます必要性が高まっていくと考えています。
ソーシャルスキルとは、人とのかかわり方のコツとも言い換えることができます。そのコツを知ることで、グループ活動などがとてもやりやすくなります。誰かとかかわりながら学ぶ姿勢が育っていくからです。
また、クラス全体の力が高まっていると感じられることもあります。例えば、ひとりの子どもに伝達を頼んだことが全員に伝わる姿や、誰かが困っていると自然と手を差し伸べる姿などを頻繁に見かけるようになるのです。
それは、子どもたちが、クラスの仲間とかかわって生きていることを実感しているのだろうと思います。そして、支え合いかかわり合って生きていくことが安心なものであり、楽しいことなのだと思っているように感じます。
ソーシャルスキルというのは、テストの点数でその成果を確かめることはできません。しかし、人と円滑にかかわる力は、テストで高得点を取ることに匹敵するくらい大切なことだと思います。なぜなら、その力は人生を通して子どもたちを支えてくれるからです。ぜひ、そういった価値観をもって、アクティビティに取り組んでみてください。
また、クラスの中には、友達と上手くかかわるのが苦手な子どもたちもいます。また、自己肯定感や自尊感情の低い子どもたちもいます。そのような子どもたちにとっても、あそびを通してかかわることは意味がありますし、学校が楽しいと思えることにつながっているのだということに確信をもってほしいと思っています。
最後に、皆さんにお願いがあります。私がご提案させていただいたアクティビティはほんの一例だということです。先生方のアイデアや工夫でアレンジし、さらに楽しいものに育てていってほしいと思います。そして、アクティビティの輪が広がっていくことを、心から願っています。