著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
書けば書くほど上手くなる!苦手な生徒に向き合う英作文指導
福井県坂井市春江東小学校江澤 隆輔
2018/1/26 掲載
今回は江澤隆輔先生に、新刊『苦手な生徒もすらすら書ける!テーマ別英作文ドリル&ワーク』について伺いました。

江澤 隆輔えざわ りゅうすけ

福井県坂井市生まれ。坂井市立春江東小学校教諭。広島大学教育学部(英語)卒業後、福井市立灯明寺中学校、あわら市立金津中学校を経て現職。
金津中学校勤務時には、英語科一体となって、独自に1年生へフォニックス導入、多くのパフォーマンステスト設定、3年間を見通した英作文問題集を作成。

―書名にもある「苦手な生徒もすらすら書ける!」秘訣を教えてください。

 ずばり、「繰り返し書くこと」です。苦手な生徒ほど、自分のミスに向き合うことが苦手です。だから同じミスを何度もしてしまう。
 本書内でも提示させてもらっているように、苦手な生徒には様々なヒントを与えながら、数多くの英作文を書き取らせることが英作文力向上の王道だと思います。
 学習初期段階は、1文3語(主語・動詞・目的語)程度の英文でも構いませんから、12文書ききることを目標として作文させます。
 そして、添削後のリライトもとても大切な活動です。先生からの添削を受けて、間違えた箇所を正しながら、意味的・文法的に正しい英作文をもう一度書き取ります。
 このサイクルを繰り返すことで、徐々に単語数の多い英文を作ることができるようになっていくでしょうし、文と文とのつながりを意識できるようになってきます。

―本書を使った繰り返し書く指導の手順を教えてください。

 まず、先生方のやり方でその文法の導入、教科書の内容理解、文法事項を習熟させるための活動などを終えてください。活動例や指導方法は各テーマの1ページ目に記させていただいたものもあります。
 導入や内容理解の終了後、家庭学習として2ページ目のドリル問題、3ページ目の英作文シートに取り組ませましょう。最初は、3文程度しか書けない生徒がほとんどだと思いますが、あくまでも目標は12文であることを生徒に伝え続けます。また、添削語には3ページ下部の書き直しスペースにリライトさせましょう。この作業は、英作文を作り上げることと同じくらい重要だと思います。必ず、リライトをさせます。
 各テーマの4ページ目には模範解答や生徒の解答、間違えやすい箇所などを記載し、ミスを減らす指導方法やその英作文のどこが素晴らしいかを示しました。参考にしてほしいと思います。

―特に苦手な生徒に繰り返し書かせるためのコツはありますか。

 「苦手な生徒」といっても、いろいろな生徒がいると思います。
 単に単語を覚えていないだけの生徒、単語は覚えているけど品詞の知識がなく、語順をばらばらに書いてしまう生徒、フォニックスの知識が乏しく、なかなか単語のスペリングを覚えられない生徒や、家庭学習の習慣がない生徒など・・・。
 繰り返し書かせるコツは、やはり「その生徒に応じた指導」を考えることなのかなと思います。また、あの手この手の活動を通じて、「このテーマで書きたい!書いてみたい!」と生徒に思わせることも大切だと思います。

―今回ワークに採用されたテーマ選びはどのように行われましたか。

 英語検定試験や様々な形式の高校入試に対応できるように、頻出のテーマに加えて、絵を見てその様子を英作文する問題や、まとまった文章を読み、それを英作文でまとめるようなレベルの高い問題も記載しました。
 1週間に1トピックの英作文をさせ、添削と書き直しのサイクルをどんどん回して行けば、生徒の英作文力は向上すると思います。

―最後に、英作文指導に取り組む全国の先生方にメッセージをお願いします!

 毎日の授業をしていて、「もっと英作文する機会があれば、もっと力が伸びるはずなのに・・・」と感じている先生も多いことと思います。定期テストで英作文の問題を出題して、全く英語を書けない生徒は、「英語がわからないから書けなかった」わけではなく、「事前に多くの練習をしていれば、書けたかもしれない」生徒の1人なのです。
 少しずつでもいい、短い英文からでもいいので、生徒に何度も英作文を取り組ませてみませんか? きっと生徒は期待に答えてくれると思います。

(構成:広川)
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