- 著者インタビュー
- 算数・数学
前著は、算数の授業というよりもユニバーサルデザインの一般的理論と算数指導のあり方について主に語られています。今回は、算数科の内容を扱う実際の授業で教師の動き、子どもの動きをどのようにすればよいかについて具体的に書きました。たとえば、実感させることや対比の場面をつくって子どもにわからせるようにすることです。
しかけ1「わかる」では、子どもがわかる授業の仕組み方。
しかけ2「できる」では、子どもが「できる」ことの大切さのための手立て。
しかけ3「そろえる」では、算数の授業ならではの様々な差の開きをいかにして縮めるかの方法。
しかけ4「よりそう」では、子どもの立場にたつ授業づくりのこつ。
これらの4つで構成しました。
算数の内容が「わかる」「できる」「身に付く」ためには、分かりやすい授業、できるようになる授業が求められます。そのためには、内容を明確に見える化する必要がありますし、今どこに焦点を当てて考えているかについて指示が必要です。さらに既習内容と新規内容が関係づけられることです。そのために、具体的な事例をもとに書きました。
60のアイデアはすべて実際の授業から取材したものです。幸いにもこれまでに6000人の授業を参観してアドバイスしてきました。もちろん、私の示範授業からも取り上げています。よって、架空の話ではありません。成功事例や失敗事例から授業改善の手立てを明記しました。
どの子も「わかる」「できる」「身に付く」ようにしたいというのが志水メソッドの根幹です。授業のユニバーサルデザイン化というのは、この根幹にぴったりあてはまります。志水メソッドと言えば〇付け法、意味付け復唱法が特に有名ですが、これだけではないことを本書では書きたかったのです。教師の様々な配慮や工夫によって、子ども達が生き生きとし、「わかった」「できた」という声が上がります。ぜひとも、皆様の学級で実践されてそのような声がたくさんでることを期待しております。