- 著者インタビュー
- 社会
本書は「理論編」と「実践編」により構成されています。まずは、アクティブ・ラーニング導入の背景や課題、社会科との関連をご理解いただけるよう、理論編から読んでいただくことをおすすめします。実践編は、ご自身の問題意識や興味・関心に近いものから読んでみてください。そして、ぜひ授業づくりにご活用いただけたらと思います。
「資料の活用」「体験活動」「調査活動」「表現活動」は、これまでの社会科授業においても行われてきました。しかし、これらの活動そのものが目的となり、本来の目的である「社会認識形成」がおろそかになっていました。
そこで、本書では、アクティブ・ラーニングを4つの視点で分類し、社会認識形成がともなった授業プランを提案することにいたしました。
本書では、「問題の発見・把握」「予想・仮説の設定」「資料の収集・選択」「検証」「まとめ・考察」という「探究」を中核とした授業プランを掲載しています。そして、探究を中核とした「学びの過程」をとらえるポイントとなるのが、本単元・本時の達成目標と授業仮説の設定です。本単元・本時の目標を設定し、目標の達成に向けた具体的な手立てを「授業仮説」として明示することで、「学びの過程」をとらえることができます。
難しく考える必要はありません。社会科では、社会のしくみが分かることが、深い学びとなります。社会事象間の因果関係を示した知識を習得することで、社会のしくみは分かります。反対に、浅い学びというのは、歴史人物や都道府県の名称を丸暗記して知識を獲得することです。アクティブ・ラーニングとは、深い学びを達成するための手段であることを理解していただきたいと思います。
「活動あって学びあり!」、これがアクティブ・ラーニングです。知識注入や活動主義の社会科授業を克服し、社会のしくみが分かる子供の育成をめざしていきましょう。