著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「劇的」に話し上手な教師は全員をひきつける!
兵庫県公立小学校教諭俵原 正仁
2016/7/8 掲載
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  • 教師力・仕事術
 今回は俵原正仁先生に、新刊『スペシャリスト直伝! 全員をひきつける「話し方」の極意』について伺いました。

俵原 正仁たわらはら まさひと

1963年、兵庫県生まれ。
通称“たわせん”と呼ばれている。
兵庫教育大学を卒業後、兵庫県の公立小学校教諭として勤務。

「笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる」という『笑育』なるコンセプトによるユニークな実践は、朝日新聞、朝日放送「おはよう朝日です」などマスコミにも取り上げられた。教育雑誌に執筆多数。教材・授業開発研究所「笑育部会」代表。

―先生、ご講演時に感じたのですが…いい声ですね。ほれぼれします。そして、先生のお話はよくわかります! この秘訣をまとめていただいたのが本書ですね?

 お褒めいただきありがとうございます。いい声かどうかわかりませんが、自分自身の声についてはけっこう意識しています。いい声かどうかよりも聞きやすい声かどうかという意識です。子どもたちは、教師の声を1日中聞いています。やっぱり聞いていて心地よい声の方が、クラスの雰囲気もよくなりますよね。最近、いろいろなクラスを見ることが多いのですが、キンキン声の先生のクラスは、どことなく落ち着きのないクラスが多いような気もします。

―なるほど! そんな心地よい声で「伝える」ために先生は、演劇界から学んだ極意をいろいろと紹介くださっています。その中の「3つの輪」って何でしょうか?

 演劇界のレジェンド、スタニスラフスキー氏の提唱した「3つの輪」から私が学んだことは、「話しかける対象を意識して話しなさい」ということです。実は、これ、話し上手な先生なら、みんな使っている極意の一つです。その極意を意識することによって、誰でも話し上手にぐっと近づくことができます。今まで無意識だったことを意識することによって、自分の話し方が変わってきます。具体的な話は、本書をお読みください。

―先生、演劇界にお詳しいですね。昔、演劇をされていたのでしょうか?

 実は、今まであまり公言していなかったのですが、俳優座演技研究所で6か月の基礎レッスン、その後、東映の撮影所で6か月の修行(エキストラ出演など)を行っていました。でも、その時は、「他の人の邪魔になるから見学していてください」と言われるほどの落ちこぼれだったんですよ。

―えええっ!?

 …という内容がウィキペディアに書かれていた高倉健さんと同じ身長なんです。これは、運命ですよね。演劇界から学べという(笑)。

―…冗談なのですね。その話術に引き込まれちゃいました。そんな誰もを…担当編集までをひきつけるスペシャリストな俵原先生、次の質問です。
 本書中、授業や学級活動、はたまた保護者や職員室の同僚と話す時まで具体例をあげて紹介くださっていますが、その中で1つ先生がおススメと思うものをご紹介いただけませんか?

 「大地くんは、いつも外の掃除を頑張っているんですよ。和樹くんが教えてくれました。友だちも認めるほどの頑張りなんですよね。
 懇談会で私がよく使うフレーズです。私のこの話をお母さんはニコニコと笑顔で聞いてくれます。先生だけでなく、クラスの友だちからも認められているという話を喜んでくれるのです。友だちの頑張りを認めることができる学級風土もできて、一石二鳥です。

―クラスづくりにまで生きるとは!最後に本書に興味をもってくださった先生へメッセージをいただけますか。

 この本には、大地くんのお話のような「こういう場面ではこのように話すと効果的ですよ。」という「何を話すか」ということも書かれていますが、何といっても、最大の売りは、「誰を意識して話すか」や「この時は、低めの声で、ゆっくりと」など、演劇の世界から学んだ「話し方の基礎基本」をベースにした「どう話すか」というノンバーバルな部分も付け加えられているということがあげられます。その部分を意識して読んでいただけると、この本の効果は倍増します。演劇からの学びだけに、「劇的」にあなたの話し方は変わるはずです。

―うまい!座布団1枚。

 お後がよろしいようで。

(構成:佐藤)
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