著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
授業の3D化こそが最高のクラスをつくる!
奈良県公立小学校土作 彰
2014/2/27 掲載
今回は土作彰先生に、新刊 教える 繋げる 育てる 授業がクラスを変える!学級づくりの3D理論について伺いました。

土作 彰つちさく あきら

1965年大阪府八尾市生まれ。1990年より奈良県の小学校教員となる。初任者の時に学級が上手くいかず、打開策を求めて全国のセミナー行脚を始める。10年目までとにかく授業ネタの収集に明け暮れるが、何かが足りないと気づく。2001年に群馬の元小学校教師深澤久氏の学級を参観し衝撃を受ける。以来、教師に必要な「哲学」論を研究。最近は授業を学級づくりに昇華させる方法論として「3D理論」を考案。日々その実証に明け暮れている。

―本書は「学級づくりの3D理論」という書名ですが、書名にある「3D」って何ですか?

 授業における3つの要素、「教える」「繋げる」「育てる」のことです。この3点を意識しながら授業づくりを行うことで、立体的で深みのある最高のクラスづくりができるのです。

―「教える」「繋げる」「育てる」とはそれぞれたとえばどんなことを指すのでしょうか?具体的に例をあげて教えてください。

 「教える」とは文字通り教えることです。先生の授業はどのくらい魅力的に教える力量が発揮された授業でしょうか? 子どもに楽しく、わかりやすい授業のネタを先生方はいくつおもちでしょうか。「容姿」「服装」「声量」「たたずまい」…教師が子どもに与える全ての刺激が教え方としてあげられます。
 「繋げる」とは子ども同士の人間関係を構築していくことです。単にネタ、知識を披露するだけでは「授業ごっこ」になってしまいます。目の前の子どもの様子をよみとり、いい意見には全員で拍手する場を、友達とかかわり合う場を作っていきましょう。授業を子ども同士を繋ぐ視点でみてみてください。
 「育てる」とは子どもたちの言動を質の高いものに高度化していくことです。「ダメ出し」「やりなおし」で厳しく育てることです。「もっとできるはずだ、掃除、やりなおし!」と。「教える」「繋げる」の土台がしっかりしていてこその指導ですが、子どもたちに全力を出し切きる心地よさを感じさせ、さらに一歩引き上げます。

―「教える」「繋げる」「育てる」をしっかりと取り入れていくとクラスの様子はどのように変わってくるのでしょうか?

 一言でいうなら、授業のたびに知的に楽しくビシッとしまった学級になります。多くの教室では「教える」ことしかなされていないかもしれません。それでは、年間1000時間の授業が不連続に平面的に行われてしまい、子どもたちの人間関係は改善されていかないし、低いレベルで活動しているだけになってしまいます。覇気のない、だらっとした雰囲気、漂っていませんか? 3Dを意識すると違います。授業のたびに人間関係が構築され、しかも子どもたちは育っていきますから、活気に満ちあふれた思いやりのある学級になっていきます。

―本書のココが特に読みどころ!とおススメになる点を教えてください。

 全国の実践家が3Dを意識して構成した授業の実際を豊富に掲載したことです。通常の授業が「教える」「繋げる」「育てる」の3Dを意識することで、実に奥行きと深みがある授業に変わることに気づいていただけると思います。
 3Dを意識した授業で子どもたちは「繋がり」「育ちあう」時間を過ごすことになります。子どもたちは必ず成長します。

―最後に、学級づくりを頑張る全国の先生方へのメッセージをお願いします。

 「授業づくりは学級づくり」とは教師なら誰もが一度は聞いたことがある教育界の「常識」ではないでしょうか。しかし、「授業づくり」のどの部分が具体的に「学級づくり」なのか、よくわからないという先生もいらっしゃるかもしれません。本書はそれが実践例を通してわかる!画期的な1冊だと自負しています。どうぞ明日から3Dをお試し下さい。確かな手応えを掴めるはずです!

(構成:佐藤)

コメントの受付は終了しました。