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今年度のことです。日光に当てた葉を脱色し、ヨウ素液をかけてデンプンができているのを調べる実験で、あまりデンプンができなかったことがありました。予備実験をしている時は晴天で大丈夫だったのですが、本番はちょうど梅雨の時期だったことが原因でした。この時は、ヨウ素液を少し濃くして、反応が出るのをしばらく待たせることで対応しました。
やはり、実験はその場で準備して行うのは大変です。事前の予備実験、機材等のあらかじめの準備が苦手意識を減らす方法の一つだと思います。そこをクリアすると、安心して無理なく実験ができます。複数学級なら、放課後に時間を申し合わせて実験の準備をするというのはどうでしょうか。時間の節約になります。単学級なら、「理科お手伝い隊員募集!」などと子どもたちに呼びかけて、ガラス器具等の用意をすれば時間の節約になります。要は、実験の本番前にいかに準備をして、安心な状況をつくっておくかですね。
特に転任して理科専科になって1年目は、理科室や理科準備室のどこに何があるかを探すだけで1学期が終ってしまうでしょう。ですから、夏休みに、名札を付けたり、備品地図をつくったり、職員作業等で他の理科専攻の先生に手伝ってもらって整理するといいと思います。そうすれば、それ以降は管理が楽になるでしょう。
やはり、1番の醍醐味は実験ですね。確かに準備など大変な面もあります。ですが、子どもが(予想通りの、また予想に反した)実験結果を目の当たりにする瞬間は、目を輝かせているもので、その目の輝きが魅力で、それを大切にしていきたいですね。
先生が楽しく感じて授業をすると、子どもたちもそれに乗ってきます。理科ももちろん同じです。ただ、ほかの教科と違い、理科は実験・観察などが重要なポイントになります。また、思わぬ質問に困ってしまうことがあります。理科に慣れない先生がおっかなびっくりせずに、実験や観察をクリアできるような本にしたつもりです。どうぞ手に取ってみて下さい。