著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子どもの素晴らしい芽を育てる造形活動と教材の創造
神戸大学名誉教授東山 明
2012/4/2 掲載

東山 明ひがしやま あきら

神戸大学名誉教授。『図工科ニューヒット教材集』(全5巻)『中学校・高校美術科ニューヒット教材集』(全2巻) (明治図書)など、著書・監修多数。

―本書は好評をいただいている「ニューヒット教材集」シリーズの幼児向け編となりますが、本書のねらいについて教えて下さい。

 ヒット教材集というのは、子どもに実際に教材として実践してみて、子どもが意欲的に取り組み、教育的にも意義のある教材を集めたものです。まさに保育現場にかかわる先生方が発掘した教材や、推薦した教材を集めた生の教材集です。この本をヒントに、指導者のあなたが子どもの状況に合わせて実践する。そこから新たな教材の創造が始まるのです。 
 

―ヒット教材といわれる、「子どもが意欲的に取り組む教材づくり」のポイントは何でしょうか。

 子どもが「おもしろそう」「作りたい」「我ながらうまくできる」「すごいのができたよ」「楽しかったよ」と、瞳を輝かせる教材や保育の手だてを工夫し創り出すのが、保育者の仕事なのです。子どもが意欲的に取り組んだ実践には、かならず、子どもが興味をひく材料や題材だけでなく、指導上の手だてや工夫がかくされています。そのヒントやポイントを経験から獲得していくのが、ベテラン保育者への道なのです。 

―本シリーズにはそれぞれ150種類もの教材が「保育の流れ」や「ポイント」を添えてまとめられていますが、本書を現場でいかす際のポイントについて教えてください。

 教材集の頁をめくってみて、この教材を取り入れてみようと思ったとき、その教材の「保育の流れ」や「ポイント」に目を通していただければと思います。そこで、まず自分で作ってみましょう。そうすると、ここは子どもたちには難しいかな、こんな材料や道具がいるな、うまくできない子はどうしよう、こういう順序で保育を進めよう、といろいろなことが見えてきます。
 そうです、まず自分で作ったり描いてみることからはじめましょう。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 子どもは、創造的で、イメージ豊かで、新鮮な発想や多様な考え方ができ、しかもなんでも挑戦しようとします。保育者はそのような子どもを受け止めていく姿勢がなければ、子どもの素晴らしい芽を摘み取ってしまいます。子どもが明るく楽しく、やる気をふるいたたせる雰囲気づくりと子どもを包み込むやさしさを、保育者は心がけていただければと思います。

(構成:及川)

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