5分でクラスの一体感をつくる!山ちゃんの 導入deボディパーカッション&ボイスアンサンブル
ボディパ教育考案者の山田俊之先生が、みんなの心が一瞬でつながる活動とスキルを伝授!
ボディパ&ボイス(12・最終回)
全校集会でみんなの意識を一気に前に向ける「ボイスアンサンブル」
九州大谷短期大学山田 俊之
2022/5/15 掲載

動画1 ボイスアンサンブル「楽しい読書」

時期:2021年
場所:福岡県筑後市内の小学校のお楽しみ集会
指導者:山田俊之
下記より直接YouTubeへアクセスいただくと、字幕が判読しやすくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=P2YgJIKPGxo

リズムが流れると自然と前に集中したくなる

 本日ご紹介した動画は、福岡県筑後市内の小学校のお楽しみ集会で実施した「ボディパーカッション&ボイスアンサンブルを楽しもう!」の様子です。読書の楽しさを伝えるために、小学校の教科書に出てくる本などを、リズムに合わせて楽しく紹介しました。
 小・中学校の全校集会では、読書月間や読書週間、交通安全週間など、各種の取り組みが設定されることがあると思います。全校集会では様々な連絡事項もあるため、通常の活動にプラスしてたくさんの時間をとることも厳しく、子どもたちの集中力を維持することも難しいと感じることはないでしょうか。
 そこでおすすめしたいのが、ボイスアンサンブルです。ボイスアンサンブルは、本連載の第6回音程を気にせずクラスみんなが参加できる「ボイスアンサンブル」でご紹介しましたが、リズムに乗って言葉のアンサンブルを楽しむ活動です。
 リズムに乗ることで、子どもたちは自然に前に集中してきます。動画では、読書週間に合わせてボイスアンサンブル曲「楽しい読書“Fun Reading”」を演奏しています。後部の子どもたちが自然とリズムに合わせて楽しそうに体を揺らしていることに気付いたでしょうか。

導入でボイスアンサンブルが発揮する3つの効果

 全校集会などの導入でボイスアンサンブルを取り入れるとどんな効果があるか、具体的に挙げてみます。

  1. リズムが流れるだけで、子どもたちがすぐに集中できる!
  2. 曲の長さが2分程度で短いので、子どもたちの集中が持続する!
  3. 写真やパネルを活用することで、視覚的効果で子どもたちが前に集中する!

 今回ご初回した「楽しい読書“Fun Reading”」では、下記の10冊の本が登場するのですが、それぞれの本の表紙をパネルで紹介しました。

『ごんぎつね』『くまの子ウーフ』『エルマーのぼうけん』『ちいさいももちゃん』『おおきな木』『ふたりはともだち』『ぼくは王さま』『いやいやえん』『おおきなおおきなおいも』『わすれられないおくりもの』

 ボイスにあわせてパネルを掲げるだけで、子どもたちはグッと前に集中してきます。パネルのかわりに、パワーポイントなどを利用してプロジェクタースクリーンで映し出すのもよいでしょう。導入で一気に前に集中させることができると、スムーズに本題に入ることができますよ。

様々な集会で活用できる!

 全校集会以外にも、各委員会が様々な集会を開催していると思います。そんなときにも、ボイスアンサンブルを取り入れて、導入で子どもたちを一気に前に集中させてみましょう!
 今回ご紹介した曲は『ボイスアンサンブル&ボディパーカッションdeリズム合唱』の本に収録していますが、この本には、他にも様々な場面で活用できる曲を紹介しています。

修学旅行・社会科見学関連集会…「ボイスdeお出かけグルメ旅」
図書委員会…「楽しい読書“Fun reading”」「世界の偉人」
飼育委員会…「かわいい虫さん」「お魚シリーズ」
栽培委員会…「お花大好き4シーズン」「野菜のお祭り」
交通安全委員会…「乗り物大好き」「いろんな新幹線」「新幹線ヒストリー」
音楽委員会…「オーケストラの楽器」「和楽器ア・ラ・カルト」

 ちなみに、リズム伴奏は上記本から二次元コードで簡単に音源にアクセスできますのでご活用ください。

 本連載は、今回が最終回になります。1年間ありがとうございました。
 この連載では、動画を紹介しながら、学校の様々な場面における導入で、ボディパーカッションやボイスアンサンブルを使って、子どもたちが一体感を感じられるような雰囲気をつくり出すアイデアをご紹介してきました。
 リズムが流れると、子どもたちは自然と笑顔になります。その笑顔をはげみにこれからもがんばりましょう!

※私事ですが、来年2023年3月下旬に、英国・オックスフォード大学シェルドニアンシアターで「インクルーシブ教育deボディパーカッション活動」をテーマに、実際の演奏を含め研究発表を実施予定です。ご興味ある方、参加されませんか? お問い合わせは下記メールに御連絡ください。body@tebyoushi.com(山田俊之宛)

導入を成功させるポイント

  1. 説明は短く、いきなり音楽(リズム)を流して子どもたちの意識を前に向けましょう。
  2. 子どもたちの集中力は2分程度と意識しましょう。
  3. 視覚的効果も活用して集中力をアップさせましょう。

山田 俊之やまだ としゆき

九州大谷短期大学教授、福岡女学院大学非常勤講師(教職課程)。小学校、特別支援学校、九州大学(非常勤:教職課程)、九州女子短期大学(教授)勤務を経て現職。九州大学大学院博士後期課程修了(教育システム専攻)。
1986年小学校4年担任の時、ボディパーカッション教育法を考案し、現在まで活動を継続。
著書『ボディパーカッション入門』(音楽之友社)、『ボディパーカッションdeクラスづくり』『特別支援教育deボディパーカッション』『保育園・幼稚園deボディパーカッション&リズム遊び』(以上明治図書)他多数。研究テーマは「子どものコミュニケーション能力を高めるリズム身体活動」「ボディパーカッション教育」「特別支援教育」「発達障害支援」。
2005年ボディパーカッション曲「花火」が平成17年度「小学校音楽科教科書」(教育出版)に掲載。
2014年ボディパーカッション曲「手拍子の花束」が平成25年度「特別支援教育用教科書」(文部科学省編集)に掲載。

最近のボディパーカッション教育関連活動
2015年カンボジア教育支援を始め、2018年NHKBSワールドニュースで取り上げられる。
2017、2018年ウイーン国立歌劇場で作品発表。
2019年九州大学、国立音楽大学、広島大学学生合同のカンボジアスタディツアーを実施。
2019年ニューヨークカーネギーホールで作品発表。
2019年NHK「パプリカ」インクルーシブ教育プロジェクト「フーリン楽団」でボディパーカッション指導を行う。
この時、フーリンメンバーや様々なハンディ(聴覚、視覚、発達、ダウン症、自閉スペクトラム、小児がん他)の子どもたちへの指導に関わる。
コロナ禍のため、2020年大阪府立和泉高校の合唱に代わって「校内ボディパーカッションコンクール」を指導する。 

(構成:木村)
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