- はじめに
- CHAPTER T ボディパーカッションってなぁに?
- 1 こうしてボディパーカッションは誕生した
- 2 ボディパーカッション教育の魅力
- 3 こんな場面でボディパーカッションが大活躍
- [1] クラスづくりに取り入れてみよう
- @ 身体表現は言葉以上に気持ちが伝わる
- A コミュニケーション能力アップで人間関係づくり
- [2] 授業の中に取り入れてみよう
- @ 音楽の授業で
- A 小学校の外国語活動で
- [3] 特別支援の必要な子どもたちに取り入れてみよう
- @ 発達障害児のいる学級(特別支援学級での取り組み)
- A 知的障害児のいる学級(養護学校での取り組み)
- B 聴覚障害児のいる学級(聾学校での取り組み)
- 4 だれでもできる!ボディパーカッション指導のポイント
- [1] リズム遊びの指導のポイント
- [2] ボディパーカッション「手拍子の花束」の指導のポイント
- 5 ボディパーカッションで子どもたちがこんなに変わった!
- CHAPTER U ボディパーカッションをやろう!
- 1 みんなが先生に注目する!リズム遊び〜集中力がバッチリつきます〜
- FILE1 ハンカチリズム PART1
- FILE2 ハンカチリズム PART2
- FILE3 ハンカチリズム PART3
- FILE4 手回しリズム PART1
- FILE5 手回しリズム PART2
- FILE6 手合わせリズム
- FILE7 手回し+手合わせリズム
- FILE8 手拍子リズム名人 ノーマル名人コース
- FILE9 手拍子リズム名人 スーパー名人コース
- FILE10 手拍子リズム名人 ウルトラ名人コース
- 2 一日が楽しくはじまる!楽しく終わる!リズム遊び〜朝の会・帰りの会にオススメ〜
- FILE11 まねっこリズム一週間 月曜日
- FILE12 まねっこリズム一週間 火曜日
- FILE13 まねっこリズム一週間 水曜日
- FILE14 まねっこリズム一週間 木曜日
- FILE15 まねっこリズム一週間 金曜日
- 3 子どもの表現力がアップする!リズム遊び〜コール&レスポンス,体で会話しよう〜
- FILE16 みなさんリズム PART1
- FILE17 みなさんリズム PART2
- FILE18 みなさんリズム PART3
- FILE19 みなさんリズム PART4
- FILE20 みなさんリズム PART5
- 4 クラスみんなが一つになれる!ボディパーカッション〜クラスの団結力が一気に高まります〜
- FILE21 手拍子の花束「チューリップ」〜tulip〜
- FILE22 手拍子の花束「チェリーブロッサム」〜cherry blossom さくら〜
- FILE23 手拍子の花束「ダンディライオン」〜dandelion たんぽぽ〜
- FILE24 手拍子の花束「サンフラワー・ステップ」〜sunflower-step ひまわり・歩行バージョン〜
- FILE25 手拍子の花束「ダンディライオンU」〜dandelionU たんぽぽU〜
- FILE26 手拍子の花束「ダンディライオン・シューティングスター」〜dandelion-shooting star たんぽぽ・流れ星バージョン〜
- FILE27 手拍子の花束「サンフラワー・ステップ&ランニング」〜sunflower-step&running ひまわり・かけ足バージョン〜
- 5 歌って踊ってみんなノリノリになる!ボディパーカッション〜楽しい動きや大好きな歌でもり上がります〜
- FILE28 みんななかよしパンパンパン
- FILE29 手びょうし・足ぶみドンドコドン
- FILE30 崖の上のポニョ
- FILE31 手のひらを太陽に
- FILE32 モグラ・ストンプ
- FILE33 ピーチク・パーチク・ポンポコリン
- FILE34 みんなでグー・チョキ・パー
- おわりに
はじめに
みなさんは「ボディパーカッション教育」というジャンルがあるのをご存じですか?手拍子,足ぶみ,ひざやおなか,おしり等をたたき,グループでアンサンブルをつくり出します。
友達同士で仲間意識をつくり,自己表現能力やコミュニケーション能力を高め,音楽的にはリズム感を育てる教育方法です。
私と「ボディパーカッション教育」との出会いは,1986(昭和61)年,小学校4年生を担任していた時。現在であれば発達障害と診断されたであろう,あるキレるタイプの男子「A男」をきっかけにクラスづくりの一環として行ったのがはじまりです。
学級担任として,A男と他の子どもたちとの人間関係をよくしたい,A男の自尊感情を高めたいと願い,簡単にできる身体を使ったリズム遊びやリズムアンサンブルを工夫してみました。これには予想以上にクラスの子どもたちも喜び,A男も積極的に参加しました。次第にクラスみんなが一体感や達成感を味わえる自発的なパフォーマンスとなり,この時の驚きと喜びを子どもたちと共有し,発展させたものが本書でご紹介する内容です。
「ボディパーカッション」という名称は,体全体(ボディ…body)の様々な所を打楽器(パーカッション…percussion)のようにたたいて音を出し,リズムアンサンブルをつくり上げることから,1986年に当時の子どもたちと一緒に名づけた造語です。最初は,子どもたちと「人間太鼓リズム」と呼んでいたのですが,何となく呼びにくいようでしたので,「ボディパーカッション」と英語読みに変えたところ子どもたちの評判がよく,その呼び方が現在まで続いています。
私自身,20年以上のボディパーカッション教育活動を通して,手拍子や身体でリズムを表現することは,集中力に乏しく注意散漫で多動な子どもにとって,感情の起伏を安定させるのに大変有効であると感じています。本書では是非「楽器ができなくても,歌が上手に歌えなくても,楽譜が読めなくても音楽は楽しめる!」を実感していただくために,ボディパーカッション誕生曲「手拍子の花束」を中心に,さまざまなバリエーションをご紹介したいと思います。
小中学校や特別支援学級における「学級活動」(特別活動),「音楽活動」(音楽科),「全校集会活動」(学校行事),「特別支援学級や特別支援学校との交流活動」(特別支援教育)など,さまざまな教育現場で活用できると思います。どうぞ多くの児童生徒たちと一緒に活用していただけることを願っています。
2011年2月 /山田 俊之
早速発表会や、リトミックのレッスンで取り入れてみたいと思います。