- 著者インタビュー
- 音楽
音楽の授業づくりの中でも、特に「音楽づくり」と「鑑賞」をどう教えていいかわからないと相談されることが多いです。特別に考えるのではなく、表現(歌唱・器楽・音楽づくり)と鑑賞、どれも同じように考えることが大切です。教え込もうとするのではなく、まずは子どもたちが感じたことを自由に表現できるような授業を考えてみてはどうでしょうか。
学級担任のよさは、他教科と関連をさせやすいことです。例えば生活科で1年間の成長を振り返った後、音楽の授業でそれを歌にする、音楽の授業で歌っていた遊び歌を使って体育の時間に歌いながら鬼ごっこ遊びをするなど。音楽はいろいろな場面で活かすことができます。また、音楽では、他教科であまり目立たない子が活躍できる場をつくりだすこともできます。
こうでなくてはならないと授業を縛り付けないことです。音楽専科では、次から次へと違うクラスがやってきます。同じ学年で同じ内容だからと、全く同じように授業を進めようとすると、うまくいかず、焦ってしまうこともあります。「クラスによって違うもの」と認識しながら授業づくりをしています。子どもたちは他のクラスと比較されることを嫌がります。各クラスの雰囲気や状況に応じて、授業を進めていくことが大切です。
たくさんの友達と関わることができる仕掛けをたくさん入れることです。「お互いの声を聴き合ってみよう」「○○さんの考えを取り入れてみよう」「○○さんの演奏素敵だね」……。音楽を通して、一人ひとりのよさを見つけることができる時間になればと願っています。音楽は人をつなぐ力を持っています。これからも、この仲間といたから楽しかったと思える音楽授業にしていきたいですね。
一所懸命に歌を歌っているときの子どもたちの顔を見ていると幸せな気持ちになります。仲間の声、音を聴きながら、真剣に考えている子どもの顔をみると嬉しくなります。音楽は、子どもたちを笑顔にします。音楽は、人をつなぐ力をもっています。そんな音楽のよさを本書には、詰め込みました。本書が、教師も子どもも幸せになる音楽授業のお役に立てることができるならばこの上ない喜びです。