著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子ども主役の教材と学習方法が授業を変え、学級・学校が変わる!
授業のネタ研究会常任理事河原 和之
2012/6/11 掲載
  • 著者インタビュー
  • 社会

河原 和之かわはら かずゆき

東大阪市の中学校に37年勤務。現在、立命館大学、聖トマス大学、関西大学中等部非常勤講師。中学校教科書『中学生の公民』(帝国書院)編集協力者。授業のネタ研究会常任理事。社会系教科教育学会理事・経済教育学会理事。近現代史教材・授業づくり研究会事務局長。NHKわくわく授業『コンビニから社会を見る』出演。NHK教育テレビ『世の中なんでも経済学』『世の中なんでも現代社会』番組委員。著書に『歴史リテラシーから考える近現代史 ―面白ネタ&「ウソッ」「ホント」授業―』『<活用・探究力を鍛える>「歴史人物42人+α」穴埋めエピソードワーク』などがある。

―今回の地理・歴史・公民の3冊シリーズは、子どもが「ウソッ」「ホント?」と驚き、興味をもつ授業アイデアが満載のシリーズですが、先生が考える、子ども達が熱中する授業づくりのポイントは何ですか?

 まずはプロ意識ですね。生徒が「寝る」「私語」「騒ぐ」というのは教える側の課題という意識が大切です。そして、生徒の目が輝く教材を探す読書や取材等の努力、そして選択眼が必要です。さらに、単に教材を提示するだけではなく、「クイズ」「フォトランゲージ」「ランキング」「ロールプレー」「対話」「討議」等の授業方法を駆使し、飽きさせない工夫が大切です。

―今回のシリーズにおさめられている教材は「石切場の落書き〜エジプト文明」「歌とビンゴで憲法前文」など、タイトルを聞いただけでも「おっ」となるものばかりですが、このような教材をつくるポイントは何ですか?

 Q1でも述べましたが、読書と取材、そして飽くなき教材発掘に対する情熱ですね。言葉をかえれば「子どもたちの生き生きと意欲的に授業に参加する顔をみたい」ということでしょうか。一単元を作るのに数冊の本を読んだが、一つもネタがないということもあります。それでもめげずに探し続ける情熱と、新聞、テレビ、ネット、そして電車のつり広告などにも目をむけることも大切です。

―先生はそれぞれの授業プランに、「クイズ」「発表」「ゲーム」「ワークショップ」などの活動を幅広く取り入れていらっしゃいます。このねらいと活用のポイントについて教えて下さい。

 「教材提示」「発問」「答え」という授業のパターン化は、どんなすばらしい教材でも飽きてきます。また、他者との対話は楽しいものです。生徒同士の「対話」から結論を導く授業の工夫が大切です。
 「ビンゴ」で楽しく学習するほうが有効な場合もあれば「ディベート」によって多面的多角的に考えさせる場合もあります。テーマによって、「対話方法」を工夫することが必要です。

―先生は本書の中で、“できる子”=「活用・探究」力,“できない子”=「習得」ということではなく、すべての生徒が“楽しくわかり”そして「思考力」「判断力」「表現力」をつける授業の必要性をとかれています。そのような授業を実現するにはどのようなことが大切ですか?

 「学力差」のない授業が大切です。そのためには「教材」「発問」「対話のテーマ設定」への吟味が必要です。どの生徒も自由に意見を言うことができ、しかも、単元のねらいとリンクした授業づくりが大切です。「活用」「探究」の仕方についても「テーマ」への吟味とともに、「比較する」「手紙を書く」「弔辞を書く」「川柳をつくる」「番組をつくる」「商品開発」など手法に工夫をしていくことで可能になります。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 中学校では生徒指導、クラブ活動などで翻弄されることが多く、なかなかじっくり教材研究ができないのが現状です。まずは、先行実践に目を通し追試することです。そこでの授業の成功感覚が、次の教材づくりの源になります。まずは「まね」、そして、自分独自の授業スタイルを確立していくことです。授業中に生徒が「生き生き」し、「わかる」授業をすると、生徒も親も信頼してくれ、学級経営にもプラスです。その信頼感が、また授業にかえってきます。

(構成:及川)

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