子どもが進んで動き出す! 給食・掃除のシステム&アイデア
“やらされる”当番から,“進んで動く”当番へ。毎日のことだからこそこだわりたい,給食・掃除のシステムとアイデアを大公開!
子どもが進んで動き出す!給食・掃除のシステム&アイデア(1)
そうじは だ、い、じ
静岡教育サークル「シリウス」柴田 克美
2015/6/25 掲載
  • 給食・掃除のシステム&アイデア
  • 学級経営

なぜ、自分たちでそうじするのか

 多くの国では、学校の掃除は子どもたちがしません。清掃会社の人などが掃除をします。
 しかし、日本の学校では子どもたち自身が掃除をします。もしかすると、この習慣こそが、自分のためだけでなく、人のために働くことができ、規律正しい日本人を称賛する外国人が多い原因の1つかもしれません。

 自分たちの場所は、自分たちできれいにする。

 この行動を通して、働くことの大変さや爽快感を実感させ、人のために働く奉仕の精神や、人と一緒に何かをする際の協調性などを培っているのです。

形から入って、心を学ぶ

 かつて私が勤務していた学校に、以下のような合言葉がありました。

 そうじは だ、い、じ
 「だ」は、だまって。
 「い」は、いっしょうけんめい。
 「じ」は、時間いっぱい。 

 だまってやると、どんどん掃除が進み、効率性を実感できます。
 一生懸命やると、達成感が得られます。
 自分の持ち場が終わっても、時間いっぱいやるという意識があると、自然と他の場所にも手伝いに行き、人助けのよさを知ることができます。

 形から入って、心を学ぶのです。

ローテーションの仕方

 掃除のシステムを考えるうえでまず頭を悩ませるのが、ローテーションの仕方ではないでしょうか。おそらく、1週間交替で持ち場を変えるケースが一番多いことでしょう。
 しかし、1週間交代にとらわれる必要はなく、1か月交替でも、1学期交代でもよいのです。
 同じ持ち場を掃除し続けると、その場所に愛着がわき、掃除以外のときにも大切にするようになります。掃除の時間の子どもたちの目は、真剣そのものです。

 ただし、持ち場を決めるときは、不公平が生じないよう十分に気をつける必要があります。例えば、教室掃除を嫌う子どもは少なくないはずです。
 学級会を開いて話し合う、くじ引きにする、など決め方はいろいろありますが、いずれの方法でも、一人ひとりが(100%満足とは言わないまでも)納得できるように慎重に決める必要があります。

 また、同じ持ち場を長く担当させるのであれば、子どもたちのモチベーションを維持するためのしかけも必要になります。
 おすすめなのが、プロ制度の導入です。持ち場の掃除を黙々とがんばり続けている子どもに、全体の場で、
 「あなたを教室のドアのレール掃除のプロと認めます」
などと称賛し、下のような認定証を渡します。
 認定証をもらった子が「大変だったけど、がんばってよかった」と喜ぶのはもちろん、それを見た学級の他の子どもたちの刺激にもなります。
 ただし、この制度を導入するのであれば、教師は子どもたちの姿をしっかりと見とる必要があります。不公平に認定証を与えたりすると、「なぜ同じ場所で同じようにがんばっているのに、うちの子はもらえないんですか」といった保護者からのクレームを招く恐れがあるので注意してください。

認定証認定証の授与で子どものモチベーションアップ!

静岡教育サークル「シリウス」

1984年創立。
「理論より実践」「具体的な子どもの事実」「小さな事実から大きな結論を導かない」これらがサークルの主な柱です。
自分の実践を語る場がある、聞いてくれる仲間がいるというのはすばらしいことです。同じ志をもつ仲間がそこにはいます。

(構成:矢口)
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