野中流!新卒教師時代を生き抜く学級経営&授業術
初任者指導のエキスパート、野中信行先生が、新卒や若手教師のつまずきやすい事例や悩みを徹底解決!
野中流!学級経営&授業術(11)
給食当番や掃除当番をさぼる子供がいる
元横浜市初任者指導教員野中 信行
2013/2/14 掲載
  • 野中流!学級経営&授業術
  • 学級経営

つまずき場面

 給食当番や掃除当番をさぼる子供がいます。注意してもなかなかうまくいきません。どんな手立てがあるのでしょうか?

1 考えられるつまずきの原因

 2月のこの時期に、給食当番や掃除当番をさぼる子供がいるというのは、その当番の「システム化」に失敗しているということになります。さぼってもいい状態が許されているシステムになっているのでしょう。システムがきちんと機能していれば、周りの子供がさぼることを許さないはずです。当番が進行しないのですから。
 もう一つは、さぼる子供に対して周りがもはやあきらめている場合が考えられます。「もうあの子に何を言っても無駄だから」と思っているのです。さぼる子供は、全てのクラス活動にもなじめなくて、浮いてしまっている状態でしょう。

2 対応法

その1 もう一度「給食システム」「掃除システム」を見直そう

 「誰が、どこを、どのようにするのか」という役割分担をもう一度見直して、それぞれ全員で取り組める方法を話し合わせる必要があります。
 先生も、給食や掃除を一緒に行って、それぞれのグループがどのように行っているのかをきちんと把握します。スムーズに進まないところはどこか、誰が、どこをさぼっているのかなどをきちんと確かめます。

その2 さぼっている子供に付き添い、一緒に仕事をする

 注意をしてもうまくいっていないのです。
 その時には、さぼる子供に付き添って、一緒に仕事をしていきます。
 注意したり、叱ったりはできるだけ控えて、「さあ、一緒にやろう」「こうした方がいいよ」などの言葉かけをしていきます。
 そして、うまくやったら「いいねえ。うまくやってる!」「先生もうれしいなあ!」とフォローをしていきます。このフォローがとても大事です。

3 今回のポイント

 さぼる子供に対しては、ついつい過度に叱ってしまうことが多くなります。
 そうしないで、一緒に仕事をするということを心がけて下さい。

野中 信行のなか のぶゆき

1947年 佐賀県生まれ。
1971年 佐賀大学教育学部卒業。
37年間横浜市立小学校教諭として過ごし、その後3年間初任者指導の仕事をする。
主な著書に『新卒教師時代を生き抜く心得術60』『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』(単著)『新卒教師時代を生き抜く“2W”仕事術』(編)などがある。

(構成:木山)
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