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“阿修羅様”に会いに行こう! 「国宝 阿修羅展」開催
kyoikujin
2009/3/25 掲載
魅惑の仏像 阿修羅―奈良・興福寺 (めだかの本)

 3月31日(火)より、東京上野の東京国立博物館(平成館)において、仏像彫刻の最高傑作とも言われる「阿修羅像」(国宝)を始めとした貴重な文化財を公開する「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」が開かれます。

 この特別展は、奈良県にある興福寺の中金堂再建事業の一環として企画されたもの。興福寺の貴重な文化財の中から、「阿修羅像」を含む八部衆像や、十代弟子像などの国宝が一同に公開されます。東京にこの阿修羅像が来るのは、ほぼ半世紀ぶりとなります。

 展覧会のタイトルになっている「阿修羅像」は聖武天皇の妻である光明皇后が母の1周忌供養の菩提を弔うためにつくらせたと言われています。興福寺ではガラスケースに入った形でしか見れなかったものが、今回は露出展示され、360度から鑑賞できる形とのこと。ファンにはたまらない展示かもしれません。

 この「阿修羅(インド仏教ではアスラ)」は仏教界では八部衆に属する仏教の守護神とされています。一般には天帝ともされる帝釈天(インドラ)と戦い続ける鬼神・魔神とされ、悪役のイメージが強いようです(※)。トラブルの際に使われる「修羅場」という言葉の語源はそもそもこの阿修羅と帝釈天が戦う場を表したものです。

浪漫堂 キン肉マン アシュラマン アニメ版

 そんな阿修羅ですが、三面六臂のその特徴的な外観やエピソードが豊富なことなどから、キン肉マンのアシュラマンなど、漫画やゲームのモチーフとしても多く取り上げられています。ファンも多いようで、今回の展覧会にあわせて設立された阿修羅ファンクラブ(会長:みうらじゅん)で、昨年10月から今年2月末までの期間で会員を募集したところ、会員総数は12,687人に達しました。

 今回公開される中には、阿修羅像の他にも、奈良時代や鎌倉時代の貴重な国宝や文化財が多くあります。東京国立博物館のHPでは、小学生向けに「八部衆アルバム」、中学生・高校生向けに「阿修羅のひみつ」として、鑑賞に活用できるワークシートも公開されています。興味がおありの方は、1度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。歴史に興味を持つよいきっかけになるかもしれません。

※そもそも阿修羅(アスラ)が帝釈天(インドラ)と戦ったのは、一説には阿修羅の娘舎脂を、帝釈天が力ずくで奪ったことが原因とされている。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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