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教科指導に比べて優先順位が低くなりがちな掃除指導や給食指導ですが、単に掃除の仕方や給食の配膳の仕方を教えるだけではありません。将来の子どもの勤労観につながる、キャリア教育でもあるのです。塵も積もれば山となる。年間約190日もある掃除や給食を、教師が意図的に指導するか惰性で行うかで、子どもの成長は大きく変わってきます。ですから、毎日の掃除指導や給食指導は、非常に大切なことなのです。
システムには「なぜ、そうするのか」という教師の哲学が現れます。公平性を優先するのか、子どもの意欲を優先するのか。1つの担当をじっくりさせるのか、短期間で多くの担当をさせるのか。どちらが正解というのではなく、教師が意図をもってシステムを構築することが大切です。それから、係や期間だけでなく、なぜ掃除をするのか、なぜ「いただきます」をするのか、といった心構えを教えることも大切ですね。
とにかく、ちゃんとやっている子をほめます。ほめることが難しそうな子どもには、こちらから仕掛けます。前もって声かけをしておいたり、やり方が間違っていたら正しいやり方を教えたりします。そして、ちゃんとできた時に「掃き方がうまくなったね」「あなたが拭いたあとの床はきれいだね」…と声をかけると、嬉しそうにしています。それを聞いた周りの子もちゃんとしようとするので、一石二鳥です。
まずは自分の学級にいる食物アレルギーのある子どものアレルゲン物質や、もしもの時にどうするかを知っておくことです。問題は、いかに「うっかり」をなくすか、です。毎日のことですから、普段ならきちんとチェックをするでしょう。しかし、他の子どもたちにトラブルがあったり、出張や学校行事だったりといった「普段通りではない時」に注意が必要です。事故が起きないようにあらかじめ手を打っておくことが大切です。
学力向上や道徳科が話題の今、「掃除」や「給食」をテーマにした本書を手に取っていただきありがとうございます。本書は「マニュアル」と銘打っていますが、絶対こうしなければならないというものではありません。なにせ、掃除でいえば、校舎のつくりも違えば掃除道具も違います。給食でいえば、センター方式や自校方式などの違いもあります。本書を参考にしながら、ご自分の学校・地域に合ったやり方で楽しい掃除指導・給食指導に取り組んでいただければ幸いです。