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「目の前の子どもに応じた授業づくりをしよう!」ということです。
クラスには、算数が好きな子・算数が嫌いな子だけでなく、身体的事情、家庭の問題、学力の問題などから、発表が得意な子・苦手な子、集中して取り組める子・取り組めない子・運動が得意な子・苦手な子、友だち関係が上手くいっている子・上手くいっていない子など、様々な子がいます。そういった子たち全員がアクティブになるためには、目の前の子に応じた授業をしないといけません。これはとても難しいことです。だからこそ、「現在の授業に満足せずに授業をより改善していこう」「子どもたち、一人一人の実態を受け入れよう」ということに気をつけています。
「目の前の子どもに応じて教科書の問題をアレンジ」することから始めましょう。
私は以前、子どもたちが盛り上がる教材、いわゆるネタをかき集めている時期がありました。そういった教材をすると、子どもたちはアクティブになりました。でも、1年間ネタだけで授業を行うことは不可能でした。ネタを使わない授業のときは、なかなかアクティブにならず……。そこでたどり着いたのが、「目の前の子どもに応じて教科書の問題をアレンジ」するということです。教科書の問題をアレンジすると、授業展開や単元計画をもアレンジする必要性が出てきます。本書ではそういったアレンジの仕方を14のステップでまとめました。ご覧ください。
「リストラとは『リストラクチャー』の略で、その意味は『解雇』ではなく『再構築』」といった雑学を聞いたとき、思わず人に話したくなりませんか? 「この教材、とても面白い! 明日授業で使ってみたい!」といった経験ってありませんか?そういった感覚です。
私は、「しかけ」づくりをするとき、「大人が面白いことは、子どもも面白い」「大人が面白くないことは、子どもも面白くない」ということを大切に考えています。考えるときは、「こうしたら子どもはこう反応するかな〜」とニヤニヤしながら考えています(笑)
私は20代の頃は、オラオラ系で天狗になっている教師でした(笑) 前年度あまりうまくいっていなかった学級を受け持つことが多く……。そんな学級を立て直すことや校内で重要な役割が増えていく中で、「自分はすごい教師なんだ」「自分の言うことを聞いておけばいい」と思っていました。Chapter3で出てくる悩みは、どれも実際に困ったことでしたが、なんせ天狗でオラオラ系でしたので「できない子どもたちが悪い」と思っていたくらいです(笑) そんなとき、本書でも紹介していますが、良き先輩に出会い叱られたこと、そして子どもたちから教わってきたことなどこれまでの経験からいきついた私なりの答えです。
本書は、算数授業で子どもだけでなく「教師の笑顔」が今以上に増えることを願って、まとめました。新年度が始まり早2ヶ月。算数授業で「笑顔」は溢れているでしょうか。私も日々笑顔が溢れるように取り組んでいます。そのために本書がお役に立てれば幸いです。共に頑張りましょう。