著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
基礎基本を徹底すれば自信をもって子どもの前に立てる!
帝京大学准教授釼持 勉
2012/12/14 掲載
 今回は釼持勉先生に、新刊『小学校国語の授業力をみがく!』について伺いました。

釼持 勉けんもち つとむ

千葉大学教育学部卒、兵庫教育大学大学院修士課程修了、福島県にて高校、東京都で小学校教諭、荒川区教育委員会、東京都教育委員会、東京都教職員研修センター、国立市立国立第七小学校長、小金井市立小金井第一小学校長を経て現職。学級経営、学校経営、国語科教育、書写教育を専門として、多くの学校で指導にあたっている。
『めざせスクールリーダー!頼れる管理職になるための16のステップ』『若手教師がヒヤッとした!80場面のトラブル解決術』(何れも明治図書)など著書多数。

―小学校の総授業時数に占める国語の割合は、低学年では3割以上、中学年でも2割以上と、圧倒的な多さですね。国語を教えるにあたって、まず最初に先生自身が身に付けるべきことは何でしょうか。

 教師にとって、国語を教えるために身に付けるべきことは、正しい日本語であり、文字の書き方であり、正しい筆順であります。先生自身が、基礎的・基本的な内容が習得できていて初めて、子どもたちに教えることができます。ぜひ、教師として言語感覚をしっかりと身に付けた上で、子どもたちとかかわるようにしましょう。

―本書5章には、指導案の実物が収録されています。よい指導案のポイントとは何でしょうか。

 よい指導案とは、児童の実態を十分把握した上で、様々な指導方法によって、児童が身に付けるべき内容を明確に示しているものです。本書で紹介した指導案は、児童に学ばせたいことが、児童主体で活動がしやすく、無理のない展開となっているところがよいところです。また、板書なども細部にわたっており、練った授業であることが分かります。

―先生は小学校教師をめざす学生も指導されていますが、国語指導法の中で、学生がもっとも苦手意識をもっていることは何でしょうか。また克服のアドバイスもお願いします。

 最近の大学生が苦手としていることとして、二つのことが挙げられます。一つは、漢字を書くことです。すなわち、正しい筆順に従って書くことと、整えて書くことです。二つめは、板書の文字を整えて書くことです。
 何れも大学の授業において克服できるよう、カードを活用して筆順の原則を指導したり、実際に黒板を使った活動を取り入れることで板書の基礎を徹底していくようにしています。

―国語の授業力を、他教科の指導へ生かしていくためのポイントをぜひ教えてください。

 他教科に生かす機会として重視したいこととして、次の3点が考えられます。

  1. 言語活動を積極的に取り入れる
  2. 「書くこと」の活動により、「生きる力」を育成する
  3. 「話し合うこと」や「交流」活動などの音声言語活動を活発にして、コミュニケーション能力を高める

―最後に、小学校の先生方へ向け、メッセージをお願いします。

 本書は、国語科の学びを初歩から考えることで授業力を磨くと同時に、自己の指導法を振り返ることで、基礎的・基本的な学びを確実にしていくことをめざしています。国語の授業において、自信をもって子どもたちの前に立てるよう、本書を手にとって魅力ある授業づくりをしてください。

(構成:木村)
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