著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子どもがのってくる教材で効果的な体育授業を!
筑波大学附属小学校教諭木下 光正
2009/5/8 掲載
 今回は木下光正先生に、『とってもビジュアル!筑波の体育授業・低学年編』について伺いました。

木下 光正きのした みつまさ

1955年東京生まれ。埼玉県志木市立志木第二小学校、志木市立宗岡第二小学校、志木市立志木第四小学校を経て、1994年より筑波大学附属小学校教諭。筑波学校体育研究会理事。NHK「やってみよう体育シリーズ」監修。『クラスの一体感が生まれる長なわとびの指導法』(学事出版、2007年)、『小学校体育 写真でわかる運動と指導のポイント 鉄棒』(大修館書店、2008年)など著書多数。

―「とってもビジュアル!」という書名が印象的ですが、本書はどのようなコンセプトをもとに作られたのでしょうか。

 図や写真を使い、運動や運動の方法をわかりやすく、見やすい誌面にすることを意図しました。それにより、体育がちょっと苦手だなと思っている先生にも、「なるほど、そうか」「これならできる」と感じて、授業に使っていただけることを願ってつくりました。

―本書では「ステップ」という形で教材の説明がなされていますが、これはどのような理由からですか。

 体育は、1歩1歩階段を上がるように授業を進めることで、全ての子ができるようになっていきます。授業を進める際の内容と方法の段階を「ステップ」という言葉でわかりやすく示しました。

―筑波大学附属小学校の体育授業のよさとは、ずばりどのようなところでしょうか。

 全ての子が身につけて欲しい最低限の技能内容を明確にし、どの子もできるところから授業をスタートさせています。段階的、系統的な指導と効率的なマネジメントを心がけて授業を進めています。これは、私達が毎年1年から6年までを指導している経験から見えてきたことです。また、誰もができる授業スタイルとシンプルな内容での授業づくりを意識しています。それにより、子どもが生き生きと活動し、技能が身についています。

―運動能力の二極化なども話題になっていますが、体育の苦手な子どもがいる学級ではどのように活用すればいいでしょうか。

 低・中・高と2学年ずつでの示し方ですので、自分の学級の1番体育が苦手な子にもできるという教材から取り組んでいただければ大丈夫です。また、苦手な子でも取り組めるよう、低・中・高のそれぞれの本にのりしろ的な内容も載せています。

―最後に体育の授業をする先生方に効果的な授業づくりについてワンポイントアドバイスをお願いします。

 子どもがのってくる教材を用意し、活動の量を保障してあげてください。本書はそのために、きっと役立つはずです。

(構成:木山)

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