英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具
「がんばっているのに英語が覚えられない…」読み書きが苦手な子どもたちの英語指導に役立つ教材・教具を紹介。 学び方を変えれば、英語はできるようになる!
英語教育ユニバーサルデザイン 指導に役立つ教材・教具(23)
他者との関わりが苦手な子への協働的な活動A
英語教育UD研究学会(大阪教育大学)樫本 洋子
2020/4/5 掲載

今回のねらい

 言葉や知的には遅れがないものの、遠まわしな表現や比喩を使った表現、表情やしぐさから相手の感情を読み取ることに困難さがあり、一方的に自分の話ばかりしてしまったり、相手が傷つく言葉を悪気なく伝えてしまったりするなど、対人コミュニケーションに困りごとをもった子どもがいませんか?彼らと接する際には、「見てすぐわかるように・短く具体的に指示する」「目を合わせて注意を引く」といった配慮とともに、「できたことを直後に褒める」ようにするとよい、と言われていますが、これらは、多くの子どもたちにとっても「わかりやすい」指導につながります。今回はそうした配慮をしつつ、子どもたち同士が「違い」を楽しめる活動をご紹介します。

We are different!

概要
5〜6人のグループで輪になって、指導者の言う【質問・お題】から連想する答えを一斉に言う。グループの中で同じことを言ったら同じ輪に残り、違うことを言ったら、クルクル回りながら、別の輪に移動する。お題や質問のレベルを変えることで、様々な学年・レベルで楽しむことができる。今回は「色」をテーマにした活動を紹介
目的
指導者の言う質問を聞いて、連想する色を発話する
同じイメージをもっている人と共感し、違うイメージ・感性をもっていることを楽しむ
対象
小学3年生以上〜
準備
特になし
絵1

学習の流れ
1.カード・色画用紙などを示しながら、色の名前を全員で導入・復習する。色の名前はカタカナ発音で言える子どもも多いが、ここでしっかり、日英の音の違いに気づくように導入・練習する
 T:「What color is this?」   
 S: 「レッド!」
 T: 「You’re right. /r/, /r/, red.」
 S: 「/r/, /r/ , red!」
 T:「Great!How about this?…」

2.色の名前に十分親しむために、Touching Game(*1)などの活動を行ってもよい

*1:「Touching Game」とは、教師が言う色を聞いて、児童の衣服・教室内にあるものにタッチするゲーム

 T:「Touch something『yellow』!」
 S:黄色のものを触る

3.色の言い方に十分に慣れ親しんだら、5〜6人のグループにわかれる
 T:「Please make groups of 5 or 6.」
 (子どもの方に行き、自分のグループがわかるように具体的に指示する)
 T:「Let 's make a beautiful circle.」
 (各グループのところに行き、「Is this a circle?」と円の図(カード)を示しながら確認する。子どもたち自身できれいな輪になっているか確認する)

4.1つのグループに、前に出て来てもらい、教師とともにモデルをみせる
 T:「Everyone, listen to me. and After I say“3-2-1!”,
   please call out your answer.Are you ready?」
 T:「What color do you like?What color do you like?」(二度繰り返す)
  (答えをまだ言わないよう、口にひと差し指をあてて)
  「Three, two, one…」
 ALL:「red ! / blue !/ green! /…」
 T:「Red?」(聞こえた答えごとに、それぞれ何人いるか確認)
  「You two said“red”.Did you three say“green”?」
 (子どもと一緒に確認する)
  「Did you say“blue”?」
  「Okay, only one of you said“blue”,so you move to another group.」
 (同じことを言った人がいなかった子どもと一緒にクルクル回りながら、別のグループに導く)

5.T:「Now, it’s your turn!Are you ready?What color is 『spring』
    for you?』

 (『』の中の語を代えながら(summer、happy、peace 等)、数回行う)

指導のポイント

  • 指導の流れに示したように、ひとつずつ、短く・シンプルに、視覚的な補助(カード等)や動作などを同時に示すなどして、「何をするのか」がわかるように指示するようにしましょう。
  • 質問は子どもに合わせて、レベル(具体(好きな色)から抽象(春/ハッピーは何色?))等を変えてください。
  • 質問の答えに「正解」はありません。「答えが違っていてよい」また「違っていたらグループを代わっていくこと」がネガティブではなくポジティブなことである、という雰囲気を作ってください。それによって、子どもたちが「人と違うことを言うのを恐れない」「人と違っていてよい」と感じられるように活動を進めましょう。

【参考文献】
加藤拓由著『外国語活動サポートBOOKS クラスがまとまる!男女が仲良くなれる!小学校英語コミュニケーションゲーム100」』(明治図書)

*URLや教材の情報は掲載時点でのものになります。

英語教育ユニバーサルデザイン研究学会えいごきょういくゆにばーさるでざいんけんきゅうかい

インクルーシブ教育の実現を目指し、学びの多様性を反映し、「どの子にとってもわかりやすい」英語授業を一緒に考え、作っていくための研究学会です。2019年6月発足。
ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。
英語教育ユニバーサルデザイン研究学会 HP

(構成:佐藤)
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