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女子中高生の理系進路選択支援事業、決定―文科省
kyoikujin
2008/6/4 掲載

 文部科学省は5月30日、「女子中高生の理系進路選択支援事業」の平成20年度採択機関を公表した。この事業は平成18年から始まったもので、諸外国に比べて理系の女子大学生、大学院生が少ない状況の改善のため、中高生時代に理系の学生生活や大学卒業後の進路の情報などを提供し、理系分野に対する興味関心を喚起することがねらい。

 今回は大学や学会、独立法人などから計29の応募があり11機関が採択された。

 たとえば、実際に採択された北海道大学の取組は、「“理科してみよう!”Be Ambitious,女子中高生」「数学の壁を越えよう!」。進路選択を控えた女子中高生にとって最も身近で理系の進路をイメージしやすい大学生、大学院生が、自分の進路選択時の体験や進学後の生活を伝えたり、どうしても理系選択時の壁になりがちな「数学」について、WEBサイトを通じた個別のアドバイスをすることで、理系進学の不安や疑問を解消することを目指すという。

 また、静岡大学では、プリクラや携帯ストラップ、化粧品など女子中高生にとって身近なものを作る工場の見学などを通じて、科学技術への関心を深めるという取組を展開。お肌チェックの実習と見学は母娘で参加できるというサービスようだ。そのほかの取組も「科学のマドンナ(東京理科大学)」「続け、理系の卵たち! 描け、貴女の未来予想図!プロジェクト(鈴鹿工業高等専門学校)」など女子中高生を意識した魅力的なものになっている。

 これらの取組を通じて、十分な情報のもとにじっくり進路選択ができる女子中高生が増えることを期待したい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/6/8 14:49:37
     『理系白書』(講談社)にも、理系分野における女性研究者の比率の低さについて述べられて、その分析として、「女子中学生の理科への関心が、親や教師など周囲の大人に左右される傾向がある」という東京学芸大学・松村泰子教授(社会学)調査結果や、物理を学ぼうと大学院進学を決めた女性が、母親の友人から「お見合いの話がこなくなる」と言われた話の紹介がありました。「女子の理科嫌い、作るのは親・教師?」と。
     本事業で採択された取り組みの中に「中学生のほか、同伴の保護者や中学校の先生方も講座に参加していただけます。」「お肌チェックの実習と見学は母娘で参加することができます。」とあるのはそのためだろうか。
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