著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
本質を見抜け!
千葉大学教育学部附属小学校松尾 英明
2021/2/12 掲載

松尾 英明まつお ひであき

小学校教諭19年目。現在,千葉大学教育学部附属小学校において,特別活動部として「クラス会議」を中心とした自治的学級づくりを専門に研究。「教育を,志事にする」という言葉を信条に,自身が志を持って教育の仕事を行うと同時に,志を持った子どもを育てることを教育の基本方針としている。野口芳宏氏の「木更津技法研」で国語,道徳教育について学ぶ他,原田隆史氏の「東京教師塾」で目標設定や理想の学級づくりの手法についても学ぶ。

―松尾先生、『指導の本質を「見抜く」技術』では大変お世話になりました。先生の眼光は鋭いですね。まさに見抜く…ビームが出ています。先生にはなぜ、ここはスルーしてよい、ここは指導しなくては…というのがわかるのでしょうか?

 「見抜くビーム」が出ているかどうかわかりませんが…(笑)、そうですね、「経験」があるからでしょうか。私は、本当にこれまでたくさんの失敗をしてきたのです。そこから、「危険を察知!」するんです。つまり、ある程度経験すれば、見抜けると思うのです。ただ、今、若い先生が増えてきていますね。若い先生だらけなので、ベテランもフォローしきれません。フォローされないものですから、若い先生も経験を積む前に倒れてしまいそうなのです。教えてくれる人も少ない状況だからこそ、本書のようなもので、ベテラン教師たちが無意識に身に付けている「見抜く視点」を若い先生方にちょっとでも知っていただけたら!と思いました。

―先生がまえがきに書かれたように「日々打ち寄せる波のように次々と起こる状況への判断」を教師は即時に求められる仕事なのでしょうね。(タイヘン…。)先生はこの脊髄反射なみの判断をどう培われたのでしょうか?

 これも過去のとっても手痛い失敗経験の数々から、「必死の状況」で身に付けたものです…(遠い目)。一見反射的に見えている「見抜く技術」(『スルー?orリアクション? 指導の本質を「見抜く」技術』』)、「とっさの対応」(『お年頃の高学年に効く! こんな時とっさ!のうまい対応』)、「切り返しの技術」(『新任3年目までに知っておきたい ピンチがチャンスになる「切り返し」の技術』)も、実は十分に準備されたものなのです。様々なケースを事前に想定しているからこそ、その場に合った手を選んで打つことができるのです。こんな経験を、本書で仮想体験していただき、私がハマったような失敗を回避していただけたらと願っています。

―本書は元々は…「叱り方」を先生に書いていただきたい…とご相談したのがきっかけでしたね。先生はなにせ「硬派」な方でしたので。けれど、お話を伺ううちに、本書にいきつきました。その先生の想いは詳しく(も熱くも…)は本書にありますが、先生の「指導」の本質の一端をどうぞ教えてください。

 私は実は「叱る」のがニガテです。自分自身が子ども時代、いっぱい叱られてきました。人にはとても言えない…というような子だったんです(笑)。
 また、一方で「ほめる」もわざとらしくなってしまって苦手です。では何をしているかといわれると…「驚く」「感心する」「感動する」です。「子どもは本当にすごい存在だ」と思って見ているからです。パッと叱ったりほめたりするのは得意ではありませんが、それが子どもにとって本当に良い影響が出るかどうかを考え指導するよう心がけています。
 学校とは子どもが良くなる場。将来、子どもが少しでも良い人生を過ごしてくれたら…と願っています。

―ありがとうございました。それでは、本書を手に取ってくださった先生方に、メッセージをお願いいたします。

 教師の仕事は、決して楽なものではありません。真面目にやっているのに、辛い思いをすることもたくさんあるでしょう。でも、その困難も、こうすれば解決できるかもしれないという見通しがあるだけで、勇気が湧いてくるはずです。一筋でも光が見えれば、世界が全く違って見えます。本書は頑張っている先生たちが指導の「本質」について見直すことのできるきっかけになってくれたら…と思ってまとめました。全国の志ある仲間へのエールになればと思います。ぜひ一度本書を手に取って読んでみてください。

(構成:佐藤)
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