著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ワークシートの活用で学びたい力を効果的に習得しよう!
国立音楽大学教授津田 正之 ほか
2020/5/2 掲載
 今回は津田正之先生、酒井美恵子先生に、新刊『学びがグーンと充実する!小学校音楽 授業プラン&ワークシート』について伺いました。

津田 正之つだ まさゆき

北海道公立小学校教諭、琉球大学教育学部准教授、文部科学省初等中等教育局教科調査官等を経て、平成30年4月より国立音楽大学教授。博士(音楽)。專門は音楽教育学。『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説音楽編』の編集に当たる。音楽教育に関する論文・著書、講演及びコンクールの審査等多数。近著に『「我が国の音楽」の魅力を実感できるワクワク音楽の授業』(学事出版、2020)がある。

酒井 美恵子さかい みえこ

国立音楽大学ピアノ専攻卒業。東京都の音楽科教諭及び指導主事を経て現在、国立音楽大学教授。『小学校音楽 指導スキル大全』(明治図書、2019)等、小中学校の音楽授業に役立つ著書多数。

―この4月から完全実施となった小学校の学習指導要領ですが、音楽は何が変わって何に注目すればよいか、簡単に教えてください。

 目標や内容の示し方が変わりました。「情意面」(興味・関心、意欲、態度)、「基礎的な表現の能力」、「基礎的な鑑賞の能力」を育てることから、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の資質・能力を身に付けるようにする方向への変更です。
 それぞれの資質・能力では,何が求められているのか、資質・能力を育成するためには、どのようなことが必要となるのか(「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善、「音楽的な見方・考え方」を働かせることなど)に注目してください。
 これからのことについては、本書でも分かりやすく述べていますので、ぜひご活用ください。

―本書は新学習指導要領に完全対応したシリーズですね。教科書と本書のワークシート、両方をうまく活用した授業づくりのコツを教えていただけますか。

 音楽の授業で用いる主教材は教科書です。ワークシートの活用にあたり、ワークシートの内容と教科書表記との関係を確認しましょう。教科書には、「ワークシートで身に付く主な力」に対応する、気付かせたいことや考えさせたいこと、そのためのヒントになることが表記されていることが多いものです。ワークシートに関わる教科書表記を確認した上で、ワークシートで身に付く力が効果的に習得できるように、どの場面で教科書を用いるのか、教科書表記の何に着目させるのか、を想定してワークシートを活用することが大切です。

―音楽は、実技を伴ったり、机やいすのない場の設定だったり、様々なシチュエーションがあると思います。ワークシートを使った授業をする際のアドバイスがありましたらぜひお願いします。

 「ワークシート」のファイリング、机や椅子のない場合はクリップボードの使用などの環境を整えることが大事です。ちょっと面倒かと思われるかもしれませんが、児童の学習環境を整えることは、よい学習習慣を身に付けることにもつながります。ファイリングされたワークシートは、教師や児童が学習状況とその変容を把握する重要な資料になります。
 低学年・中学年では、活動しながら書くことが難しい状況も考えられます。状況に応じて、視点をもってじっくりと聴く場面、聴いたことを記録する場面を分けて設定するなど、学習効果が上がるように活用の方法を工夫してください。

―現在休校が続いている学校もあると思いますが、休校明け、音楽の授業では何を優先して取り組めばよいでしょうか。

 しばらくは、歌唱の活動や、器楽の活動(鍵盤ハーモニカやリコーダー等)を行うのは、厳しい状況が想定されます。その場合、実際に歌ったり演奏したりするために必要となる、知識や技能を楽しく習得できる活動を優先してください。例えば、曲に合わせてリズム打ちをする、手を動かす、指揮をする、サイレントシンギングをする、楽譜をみて階名をふる、運指を学びながら心の中で演奏するなど、児童の立場になって、楽しい活動を考えてください。もちろん、鑑賞の活動を優先し充実させることも考えられますが、鑑賞だけにならないよう、工夫をしてください。

―最後に、全国の先生方へ向け、ぜひメッセージをお願いします。

 本年度は、新しい教育課程がスタートする大切な年です。その担い手は、本書をお読みいただく先生方です。新学習指導要領の趣旨を生かした音楽の授業が子供たちにとって意味あるものになるために、本書が少しでもお役に立つことができましたら幸甚です。

(構成:木村)
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