著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
4技能統合型で世界レベルの英語力を身につける授業を目指そう!
福山市立福山中・高等学校上山晋平
2018/9/11 掲載

上山 晋平かみやま しんぺい

1978年広島県福山市生まれ。福山市立福山中・高等学校勤務。
中学校検定教科書『COLUMBUS21』(光村図書)編集委員。

―本書は4技能(5領域)統合型に焦点を当てて、英語授業づくりの理論と実践がまとめられています。どうして、今、「4技能統合型」が必要なのでしょうか。

 「4技能(5領域)統合型」は、新学習指導要領の改訂前にまとめられた課題の中に、「複数の領域を統合した言語活動が十分ではない」とあり、この課題に対する対応が新学習指導要領のキーワードにもなっています。
 4技能統合型が必要な理由の1つ目は、「学びをリアルな社会につなげる」ためです。私たちはふだん「聞いた話をメモして人に伝え」たり、「読んだ内容を文章にまとめて口頭で発表する」ように、複数の技能(領域)を使って生活しています。4技能統合型にすることで言語の自然な使用場面に近づくことになり、リアルな生活や社会で活用できる力を養うことにつながります。
 もう1つは、4技能統合型によって、「4技能をバランスよく育成すること」ができるためです。一部の能力にのみ焦点を当てていると、その技能だけが高くなりがちですが、技能統合を意識すれば、他の技能の育成も進みます。これらのバランスの取れた力は、民間の資格・検定試験にも有効に対応することになるでしょう。ただし、4技能は目標でなく、コミュニケーションを行う手段ということは、意識しておきたいと思います。

―本書のPart1では、「主体的・対話的で深い学び」の観点に立った授業改善のポイントがまとめられています。前作の『目指せ!英語授業の達人33 授業が変わる!英語教師のためのアクティブ・ラーニングガイドブック』にもたっぷりと理論編がありましたが、これらはどのような意図で収録されたのでしょうか。

 今回の教育改革では、「方法論より本質の理解が大切」と言われています。なぜこのような改革が必要とされているのかを理解できると、各人がそれぞれの実態に合わせた主体的な工夫がしやすくなります。ですから、具体的な実践紹介の前にできるだけ理論的、本質的な部分をご紹介できればと思いました。また、現場の忙しい先生にも読んでいただきやすいよう、ポイントをできるだけコンパクトにまとめました。

―Part2には、「4技能統合型」の指導法のエッセンスが授業デザインとともに紹介されています。こちらはどのように活用できるでしょうか。

 これもQ2の回答と重なる部分もありますが、実践例を知るだけではなかなか現場で使えません。それぞれの環境が異なるからです。ですから、4技能指導のエッセンスを学びとっていただくことによって、紹介された活動アイデアをたたき台にして、ご自身や生徒に合う活動にアレンジして使っていただけたらと思っています。

―Part3は活動編として4技能統合型の活動アイデアが学年・領域別に15事例紹介されています。指導だけでなく評価にも役立つよう、どのような内容のものを収録していますか。

 活動編では、中学と高校で活用できる、複数技能を統合した「無理なくできる」活動を15事例ご紹介しました。教科書を読み進める学習だけでなく、たとえば、「教科書本文を読んだ後に自分の意見を書きたくなる発問の工夫」(事例12)や「クラスの実態を調査して発表する活動」(事例3)、他にも、チェインライティングという「SNS世代の新感覚英作文」(事例14)や「英語ディスカッション」(事例9)、「紙上チャット」(事例10)など、楽しくて力がつく技能統合型の活動と評価例が満載です。ぜひご覧いただきたいです。

―最後に全国で英語を教える先生方へ、一言メッセージをお願いします。

 私たちは教育改革の真っただ中にいます。ここで大切なのは、今までの指導のよい部分を継承しつつも、新しい部分にチャレンジすることです。変化は簡単ではありませんが、「変化は進化」だと思って、一緒に前に進んでいきましょう! 本書はその一歩を踏み出す参考になるものが含まれていると思います。一緒にがんばりましょう!

(構成:木山)
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