著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
算数の授業は楽しい!!
大阪教育大学附属池田小学校教諭奈良 真行
2018/3/6 掲載
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 今回は奈良真行先生に、新刊『教師力ステップアップ 3年目教師 勝負の算数授業づくり』について伺いました。

奈良 真行なら まさゆき

大阪教育大学附属池田小学校教諭。1977年大阪府生まれ。大学卒業後、教育関係の仕事を経て、2007年より豊中市公立小学校に勤務。2014年より現職。初任校で出会った樋口万太郎氏・豊中市教育研究会で出会った小林秀訓氏・附属池田小学校で出会った垣内幸太氏に多大なる影響を受け、算数の研究のみならず安全教育の発信、授業づくりから学級づくりまで幅広く取り組んでいる。関西算数授業研究会事務局長、授業力&学級づくり研究会事務局。編著『算数授業で学級づくり』『学校における安全教育・危機管理ガイド』(東洋館出版社)『3年目教師 勝負の授業づくり』(明治図書)など。

―本書は、教師になって3年目からステップアップするためのシリーズですね。教師になって3年目くらいの先生から、算数の授業づくりに関してよく相談される悩みはなんでしょうか。悩みに対するアドバイスも含めて教えてください。

よくある悩み
授業は進められるようになってきたが、一部の子ども(先行知識のある子やいわゆる声の大きい子など)の発言で授業が進んでいく。つまり、全員が参加している授業はどのようにしたらいいのか?

 全員参加している状態をどのように教師が捉えているのかが大切です。全員発表することですか? もちろんそれができれば素晴らしいですが、ほぼ不可能です。1時間の授業でそれぞれが5回は口から言葉を発する時間を作っています。例えば、問題を全員で読む。ペアで話す。はい、いいえで答えられる発問をするなどです。つぶやきもそうですが、口に出して言葉を発することを、挙手して発表することと同程度の価値づけをしています。挙手して発表することが参加しているという捉えを変えると、授業の進め方も変わってきますね。

―本書では、授業力向上がスムーズな学級づくりにつながると言っていますね。授業づくりをしながら、学級経営がうまくいくように常に意識をしていることはありますか。

 3つの関わり合いを大切にしています。1つ目は課題との関わり合い。主体的に課題に取り組むためにも、〇〇したいという気持ちを湧き立たせる導入や課題が大切です。2つ目は先生との関わり合い。子どもはやはり先生に認めてもらいたい気持ちが大きいです。評価する言葉、評価するしぐさをシャワーのように浴びさせます。3つ目は仲間との関わり合いです。一人一つ具体物を渡せばいい場面でも、ペアで一つにすると、自然と頭を突き合せたり、会話したりして関わり合います。算数に限らずどの授業でもこれらのことは意識しています。

―本書では、2章冒頭のフローチャートで、自分がどんな力を付けたいかを再確認できますね。本書の活用の仕方を教えてください。

 第1章では基礎基本のマストスキルが10個あげられています。発問や板書、課題設定などにおいて何を大切にして授業づくりをしているのかを思い返しながら読んでいただきたいです。今までの実践に理論的なエビデンスを合わせることで、より確かな実践にすることができるはずです。第2章では、ぜひ冒頭のフローチャートをしてみてください。算数の授業づくりに対して、今のあなたは何に着目しているのかがわかるはずです。ポイントをつかみながら、ぜひ読み進めてください。そういう意味では、本書はどの部分から読んでも、明日の授業に役立てることができると言えます。が、全部読んでくださいね。

―これから4月に向け、算数の授業開きにおけるアドバイスをぜひ教えてください。

 算数の授業開きでは、「笑顔がいっぱい、仲間といっぱい関わり合う、(自分でする100%楽しい授業の)7割ぐらいの楽しさの授業」を心がけています。1年間の授業を楽しみにしてもらうためには、笑顔があふれるような教材(ゲームなどのネタものでもOK)で、仲間と一緒に解決できるような授業がいいですね。そして、1回目から100%の楽しさの授業ではなく7割ぐらいに抑えておくようにしておくのがコツです。徐々に楽しさをアップさせていくことで、子どもたちが「算数待ち遠しいな」と思ってくれるようになります。

―最後に全国の先生方へ向けメッセージをお願いいたします。

 「算数の授業は楽しい!!」
 解決できたときのスッキリ感、仲間と一緒に考えることができたときの充実感、〇〇の場合はどうなのだろうかと発展的に考える楽しさなどあげればきりがありません。授業をする先生方が教材研究のときにその楽しさをぜひ感じてください。Aさんだったらきっと〇〇って言うはず!Bさんだったら△△に疑問を持ってくれるはず!と考えると授業づくりが楽しくなります。しかし、実際してみると想定外の意見が出たり、先生の考えを超える意見を言ってくる場合もあります。そんなこともすべて子どもたちと一緒に楽しんでください。一緒に悩んでください。先生は、私たちと一緒に悩んで考えてくれる。そんな思いを持った子どもたちとの信頼関係は深くなっていき、学級づくりにも有効に働きます。
 もう一度言わせてください。「算数の授業は楽しい!!」

(構成:木村)
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