著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子供たちに「意欲」と「自信」を育てる算数授業にしよう!
元横浜市立小学校教諭野中 信行
2017/7/13 掲載
今回は野中信行先生に、新刊『日々のクラスが豊かになる「味噌汁・ご飯」授業 算数科編』について伺いました。

野中 信行のなか のぶゆき

元横浜市小学校教諭。初任者指導アドバイザー。『新卒教師時代を生き抜く』シリーズ,『「味噌汁・ご飯」授業』シリーズなどで問題提起をする。著者多数。

―本書で提案されている「味噌汁・ご飯」授業とは,どのような授業なのでしょうか。『日々のクラスが豊かになる「味噌汁・ご飯」授業 国語科編』が既刊としてあるのですが,簡単に教えてください。

 毎日5,6時間行っている日々の授業(「日常授業」)を,短時間の授業準備でいかに豊かに充実させていくか,それを提案しています。

―算数の日常授業=「味噌汁・ご飯」授業を改善するために,まずは何から始めればいいでしょうか。

 教科書をきちんと教えていくことから始めるべきです。教科書は,ほとんどが例題―類題―練習問題で構成されています。ですから,例題で問題の「解き方」を教え,類題,練習問題でその「解き方」を活用して練習させていきます。これで45分の授業を完結できるようにすべきです。
 わたしたちは,その「解き方」を,「ときかたハカセ」という言葉で提起しています。

―算数で「味噌汁・ご飯」授業を取り入れると,どのような効果がありますか。

 テストの点数が上がります。クラスにいる低学力児も,10点,20点,30点から60点,70点,80点と点数を上げていきます。そのことで,子供たちには算数に対する「自信」と勉強に対する「意欲」が育っていきます。

―学習指導要領が改訂され,「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善が求められていますが,本書はどのように活用できるでしょうか。

 学習指導要領は,新しい学力(「主体的・対話的で深い学び」)と今までの不易な学力によって成り立っています。「味噌汁・ご飯」授業は,この不易の学力を身に付けるものです。
 ですから,新しい学力を支える「土台」づくりに活用できると考えています。

―最後に全国で算数を教える先生方に一言お願いいたします。

 クラスの中で放置状態になっている算数の低学力児を何とか引き上げましょう。
 これは教師の責務です。
 わたしたちは,今回の本でその筋道を提起しています。どうぞ一緒にがんばりましょう。

(構成:木山)
コメントの受付は終了しました。