著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
気になる子へ言葉をかけてはいけません
上越教育大学教職大学院教授西川 純
2014/10/16 掲載
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  • 学級経営
 今回は西川 純先生に、新刊『気になる子への言葉がけ入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック>』について伺いました。

西川 純にしかわ じゅん

1959年東京生まれ。筑波大学生物学類卒業、同大学院(理科教育学)修了。博士(学校教育学)。臨床教科教育学会会長。上越教育大学教職大学院教授。『学び合い』(二重括弧の学び合い)を提唱。『クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門』『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門』『子どもが夢中になる課題づくり入門』『簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門』『子どもによる子どものためのICT活用入門』など著書・編著書多数。

―本書は「会話形式でわかる『学び合い』テクニック」の第2弾として、テーマは「言葉がけ」です。まず、本書のねらいと読み方について、教えて下さい。

 『学び合い』の授業は一見なにもしていないように見えます。そのため、色々な誤解を受けています。本書を読んでいただければ、『学び合い』での言葉がけが考え抜かれたものであることが分かると思います。そのため、そんなに頻繁に言葉がけをしなくても良いのです。そして、その言葉がけは『学び合い』以外の場面でも有効で、直ぐに使えます。

―先生は本書の中で、「学ぶ構え」のある子ども、ない子どもについて述べられています。学ぶ構えのない子ども、気になる子どもに効果的なアプローチとはどういったものでしょうか?

 そのような子は、「あなた」に相性が悪いのではなく、それ以上に「教師」に相性が悪いのです。だから、歴代の担任がその子を変えることは出来なかった。出来たと思っても、直ぐに元に戻ります。だから、別なことを本書で提案しています。それは、子ども「たち」がその子にアプローチすることです。

―本書の第2章では、子どもに作業をさせる時に、丁寧な指示をすることへの弊害についても触れられています。本書の中でも詳しく述べられていますが、教師がハッキリ指示をすべきところと、指示しない方が良いところはどこでしょうか?

 日本中の授業の大部分は、成績中もしくは中の下に合わせています。従って、教師の代わりに丁寧な指示を出来る子どもはかなりいます。しかし、何を達成すべきかを決められるのは教師のみです。そして、全員達成すべきだと求め続けられるのも教師のみです。『学び合い』では教師は、教師しか出来ないことに集中しています。

―本書の第4章では、特別な支援が必要と思われる子どもへのアプローチについても述べられています。その際に大切にしなければならないことは何でしょうか?

 それは特別支援の子どもを、可哀想と思わないことです。算数の点数が多い方が偉い、かけっこが早いほうが偉い…。学校では色々な序列で人を判断しています。しかし、そのような序列の中で考えている限り、特別支援の子どもの幸せをイメージすることは出来ません。教師自らがその序列を打ち破る必要があります。

―本書の中で西川先生は「学校で学ぶ意味を語る」ことの大切さについて述べられています。「なんで勉強するの?」は先生方は1度は聞かれたことのある質問だと思いますが、どのような答えをすべきなのでしょうか。

 私は学力的に最底辺の高校で教師人生を始めました。当然、「なんで勉強するの?」と聞かれました。大学、大学院で教えて貰った学ぶ意味を語りましたが、子どもたちは納得しません。結局、私は面白い授業、分かりやすい授業をしました。そうすれば聞かれません。しかし、私は逃げていたのです。大学に異動して、それを追求し続けました。その結果が『学び合い』です。学校教育の意味は、色々な人と折り合いを付けて付き合い、その人たちの力を借りる能力の獲得だと『学び合い』では考えています。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願い致します。

 本書では、もの凄く簡単な原理原則を3つだけお伝えします。しかし、それだけで言葉がけが全く違ったものになり、子どもが激変します。分かってしまうと、何で今までそうしていなかったのかが分からなくなると思います。お試しあれ!

(構成:及川)

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