著者インタビュー
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教師修業は「出会い」を生かし「挑戦」し続けること
山口県下関市立勝山小学校教諭福山 憲市
2014/8/28 掲載
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福山 憲市ふくやま けんいち

1960年山口県下関市生まれ。広島大学卒業。下関市立勝山小学校教諭。現在、「ふくの会」というサークルを29年間継続。「ミスを生かす子ども達を育てる研究会」も組織し、ミス退治運動を進行中。主な著書に、『スペシャリスト直伝! 学級づくり“仕掛け”の極意―成功に導くキラー視点48―』『算数科「言語活動の充実」事例』『ミス退治事例集 授業づくりの成功法則』シリーズ『国語ミス退治事例集』シリーズ『算数ミス退治事例集』シリーズ(明治図書)、共著書に、『THE 学級開き』『THE 学級経営』(「THE教師力」シリーズ、明治図書)などがある。

―「教師修業」と言われると、「大変そうだな」「難しそうだな」と思われる読者の方もいらっしゃると思いますが、本書では明日からもすぐに出来そうな、肩の力を抜いて取り組めるポイントも、数多く紹介されていますね。初任の先生に、まずやってみては〜とおすすめの取り組みがありましたらご紹介下さい。

 自分が1番すすめているのは、「校内の先生から学ぶ」という教師修業です。身近な先輩先生に「教えてください」と声をどんどんかけることだと思うのです。自分は初任の頃、図工に詳しい教頭先生に、毎週土曜日1時間以上「図工実践を学ぶ場」を作っていただいたことがあります。

―本書では、福山先生がふだんとられているメモの実物例などもご紹介いただいています。研究会などに限らず、テレビ番組から、など様々な場面でのメモがありますが、意識されているポイントはありますか?

 自分が興味を持ったことは、全てメモをするようにしています。テレビを見ていても、車を運転していても、「あっ。これ面白い!」と思ったらすぐにメモします。そのために、常に書く物をそばに置いています。書かないとすぐに忘れてしまうからです。一度メモしただけでは忘れてしまうので、facebookやサークル通信などに書き直したり、サークルの仲間に話したりして、しっかりと記憶に留めることが出来るように努めています。

―本書では福山先生の取り組みについて、実物資料入りで色々と紹介されています。その中の一つ、「共育カード」について教えて下さい。

 共育カードについては、拙著『一人ひとりを見つめる子ども研究法の開発』(明治図書)に詳しく書いているのですが、「保護者とのやりとりカード」と言い変えてもいいです。子ども達の家での様子を、保護者から教えてもらうためのカードです。特に、保護者の目から見て、成長したなあと思うことがあったら教えてくださいと言っています。子ども達を教師だけでなく、保護者と一緒に育てていくための道具の一つにしています。

―先生は本書の中で「趣味を充実させよう」ともおっしゃっています。教職を続けていく中では、メンタルを健康に保つことも大切なことだと思いますが、先生がふだん意識されている、秘訣などはありますか?

 一番は、生活リズムを変えないということです。朝は4時起き、夜は11時までに寝る。これを32年間、ほとんど変わらず続けています。このリズムが狂った時、大病をしてしまいました。その時のお医者さんの言葉が忘れられません。「無理が過ぎると無茶になる。少しの無理なら大丈夫と思っていても、見えない所でどんどん健康を害しているのですよ」この言葉通り、無理をしない。無理なら諦める。この心で日々教師修業を続けています。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願い致します。

 本著は、授業が下手で子ども達から「授業やめよう。遊ぼう!」と言われた自分が、少しずつ少しずつ「授業大好き人間=授業人」に変わっていく様子を書いています。そこには、多くの人や出来事との「出会い」があります。「出会い」のたびに「新しいことへの挑戦」を繰り返してきました。教師修業は、「出会い」を生かし「挑戦」し続けることだと思っています。54歳になった今も「新しい出会いと挑戦」を求めて、教師修業に励んでいます。読者の皆さんとの出会いを楽しみにしています。

(構成:及川)

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