著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ピンポイント作文で「圧倒的な」作文力を身につけよう!
東京都青梅市立第四小学校教諭村野 聡
2012/10/2 掲載
 今回は村野聡先生に、新刊『圧倒的な作文力が身につく!「ピンポイント作文」トレーニングワーク』について伺いました。

村野 聡むらの さとし

1963年東京生まれ。青梅市立第四小学校教諭。TOSS青梅教育サークル代表。東京向山型社会研究会所属。著書に、『クロスワードで社会科授業が楽しくなる!』『<PISA型読解力を鍛える>社会科「資料読み取り」トレーニングシート』『社会科「重点指導事項」習得面白パズル』『新版 社会科「資料読み取り」トレーニングシート』シリーズ<学年別・3分冊>(以上、明治図書刊)などがある。

―本書の書名にもなっている「ピンポイント作文」とはどういったものでしょうか。

 作文の力は「作文技術」を教え、習熟させることで身に付きます。作文技術と一口に言ってもその範囲は膨大です。すべてを指導しきれるものではありません。そこで、ぎりぎり最低限必要な作文技術に絞り、ピンポイントで授業することにしました。この作文の授業を「ピンポイント作文」と名付けました。

―本書では、「見たこと作文」「スケッチ作文」「4コマまんが作文」など、7つのピンポイント作文授業が提案されています。本書の中で詳しく紹介されていますが、そのねらいと力をつけるポイントについて教えて下さい。

 7つのピンポイント作文の授業を行うことで「正しい表記」「描写」「説明」「観察」「記録」「報告」「引用」「辞典活用」等の力をつけることができます。これらの作文技術を習得させることで「コミュニケーション能力」を高めることをねらいとしています。指導のポイントは「例示」を参考に書かせる授業システムにあります。

―本書にはピンポイント作文のワーク・指導案の他に、「作文テーマ集」「視写プリント」も掲載されています。このねらいと活用法について教えて下さい。

 7つのピンポイント作文の授業で教えた作文技術を習熟させる必要があります。作文技術を繰り返し使って書く段階です。その習熟を家庭学習に求めました。日記指導です。毎日の作文で意図的・計画的に作文技術の習熟が図れるように「作文テーマ集」を2年分掲載しました。「視写プリント」は朝学習等で活用します。より効果的に作文技術の習熟を図るための補助教材です。

―先生は作文指導に欠かせない部分として、「ノート指導」もあげられています。本書でも詳しく述べられていますが、そのポイントについて教えて下さい。

 ノート指導こそが日常的な作文指導であると意識する必要があります。日常の中で指導するから力がつくのです。授業中、発問をしたら、ノートに自分の意見を書かせるようにします。その時、作文指導をするのです。アウトライン(文章の型)を教師が示し、その型を使って書かせることが基本です。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 卒業した子どもたちにいつも感謝されるのが作文指導です。小学校でたくさん書く経験をしたことが中学校で役に立っているというのです。ピンポイント作文の授業と作文テーマ集を、学級の実態に応じてカスタマイズしながら使用してください。そして、子どもたちに圧倒的な作文力を身につけさせてください。

(構成:及川)

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