特別支援教育の実践情報 2026年1月号
つまずきの背景要因を探る「謎解きアセスメント」

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特別支援教育の実践情報 2026年1月号つまずきの背景要因を探る「謎解きアセスメント」

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2025年12月8日
対象:
小・中・高
仕様:
B5判 74頁
状態:
在庫あり
出荷:
2026年1月6日

目次

もくじの詳細表示

特集 つまずきの背景要因を探る「謎解きアセスメント」
特集について
支援のためのアセスメント
山下 公司
アセスメントのための基礎知識
(1)実行機能の発達
今井 正司
(2)運動の発達
池田 千紗
(3)ことばとコミュニケーションの発達
大伴 潔
(4)行動・社会性の発達
安住 ゆう子
(5)読み・書きの発達
小笠原 哲史
(6)数の発達や算数の学習
熊谷 恵子
なぜつまずくのか? 謎解きは子供のために
(1)[聞く]なぜ聞き漏らしが多いのか?
岩渕 友美
(2)[話す]なぜ一方的に話してしまうのか?
田近 健太
(3)[読む]なぜ勝手読みや行飛ばしをしてしまうのか?
小倉 望
(4)[書く]なぜ文字の形が整わないのか?
桂野 文良
(5)[算数]なぜ簡単な計算でも指を使うのか?
坂内 仁
(6)[注意・集中]なぜすぐに学習にあきてしまうのか?
山田 明夏
(7)[多動・衝動]なぜ先まわりして発言してしまうのか?
廣川 久美子
(8)[社会性]なぜマイペースすぎて集団行動ができないのか?
川合 理恵
(9)[対人]なぜ会話が上手にできないのか?
蒔苗 詩歌
(10)[運動]なぜ物によくぶつかるのか?
増本 利信
(11)[運動]なぜコンパスで円が書けないのか?
岡野 由美子
(12)[日常生活]なぜ失くし物が多くいつも物を探しているのか?
村井 めぐみ
子供イキイキ・学習活動
【音楽】「できた!」が広がる音楽の時間
黒田 亜樹
【自立活動】保護者や外部機関と連携した自立活動
ぷーた(安藤 あきこ)
トピックス (第118回)
「論点整理」をキーワードで読み解く 次期学習指導要領の方向性
平沼 源志
子供とのかかわりを変える言葉選びのコンセプト・メイキング (第10回)
問い直しのためのコンセプト
川上 康則
ホワイトボード・ミーティング(R)でつくる「個別の指導計画」 (第10回)
ホワイトボード・ミーティング(R)企画会議で指導計画を書くA
田中 雅子ちょん せいこ
心理学的テクニックを活用した子供の課題解決アプローチ (第10回)
生活習慣が乱れている子供
小西 一博
〜【おすすめの心理学的技法】セルフモニタリング(自己監視法)〜
「ことばの教室」の担当になったら「ことばの遅れ」の指導 基礎基本 (第10回)
体を大きく動かそう
阿部 厚仁
知的障害者用教科書―星本―を活用した授業実践 (第10回)
【国語☆☆☆☆☆】「ぼくのカレーライス」(pp.74〜79)
野口 大介
通常の学級の教科指導 個に応じた配慮 (第10回)
中学校理科における困難さへの支援
大滝 亮司
学びの土台を育む運動あそび (第10回)
コミュニケ―ション能力を育てる運動あそび
堂面 勝哉
子供を育む「手づくり教材」アイデア (第16回)
[指先の動き]洗濯ばさみマッチング/[指先の動き]キャンディスティックで虹遊び
ごーや
特別支援学級の教室づくり&アイテム (第16回)
学習したことを生かせる表現活動と操作できるカード教材
いるかどり
特別支援教育最前線―紹介します,わが県のホープ&エース (第46回)
群馬県
渡邉 敬子
編集後記
山下 公司

編集後記

 「なぜ、この子は文字が書けないのだろう?」「なぜ、友達をたたいてしまうのだろう?」「なぜ、何度言っても忘れ物が多いのだろう?」――特別支援教育に携わる教師が子供と関わる中で感じる“なぜ”には、その子なりの理由があります。本特集では、子供の行動の背後にある発達的・心理的な背景要因へ丁寧に目を向けることを通して、「教える」前に「みとる」ことの大切さを伝えます。

 知的障害や発達障害のある子供たちは、日常の中で様々な“つまずき”を抱えています。そうしたつまずきを「困った行動」として表面的に捉えるのではなく、「この子が今、“何”に困っているのか」「“なぜ”そのような行動をとってしまうのか」「“どんな”支援を必要としているのか」を探ることが、特別支援教育の第一歩です。

 本特集では、インフォーマルなアセスメント(@資料の整理、A面接、B観察)を中心に、現場で今日から使える子供理解の方法を紹介します。目の前にある資料をどう読み取るか、子供や保護者とどんな言葉でやりとりするか、授業の様子や休み時間の観察から何がわかるか。みとりの基礎となる具体的な視点やかかわりの工夫など、実践に即した内容を紹介します。

 子供一人一人と丁寧に向き合い、その子の「わからなさ」や「やりづらさ」に寄り添うことで、信頼関係が生まれ、指導の手立ても見えてくるのではないでしょうか。子供の姿を深く“みとる”ことで、「この仕事は面白い」「もっと知りたい」と感じられるようになってきます。それが、特別支援教育の醍醐味です。今回、そのような醍醐味をお伝えすることで、どっぷりと特別支援教育に浸っていただきたいと思います。

 子供が少しずつ「わかる」「できる」を実感し、自信を取り戻していく姿を、共に支えるために。本特集が、その第一歩となることを願っています。


   北海道教育大学札幌校 /山下 公司

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