- 特集 移行期の引継ぎを成功させる! 送り手・受け手の連携プレー
- 特集について
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- <概論>
- 1 入学時(早期)の移行支援 幼稚園・保育園から小学校へ
- 「個別の教育支援計画」の作成・活用
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- 2 卒業時の移行支援 高等部から社会へ
- 機能する連携は学校教育の充実にある
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- <事例>送り手・受け手の2ウェイで見る! 確かな引継ぎのための工夫とポイント
- 1 〈幼稚園/保育所と小学校間〉幼児期から小学校へ架け橋を
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- 2 〈幼稚園/保育園と小学校・通常の学級間〉激変する環境の中でのスムーズな移行を目指して
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- 3 〈幼稚園/保育園と特別支援学校・小学部間〉変化への戸惑いを共有し、ゆっくりスタート
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- 4 〈特別支援学校・小学部と中学部間〉校内における引継ぎの現状と課題
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- 5 〈小学校(部)と特別支援学校・中学部間〉きめこまかい連携でスムーズな移行をめざす
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- 6 〈中学校・特別支援学級と高校・高等部間〉思春期の危機を乗り越える移行支援
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- 7 〈特別支援学校・中学部と高等部間〉新しい環境を受け容れにくい生徒への支援
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- 8 〈中学校(部)と特別支援学校・高等部間〉学部全体での指導を意識した引継ぎ資料
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- 9 〈特別支援学校・高等部と卒業後/就労先間〉学校から社会へ 子どもから大人へ
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- 10 〈特別支援学校・高等部と卒業後/就労先間〉実習から就労決定に至るまでの保護者・関係機関との連携
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- 11 〈特別支援学校・高等部と卒業後/就労先間〉児童生徒の「自己実現」のために学校と企業で「成長の記録」を共通理解する
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- 楽しく学ぶ簡単手作り教材 (第24回)
- 〈糸吹き〉ゆっくり、強く、長く吹いて
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- 授業がはずむ「おすすめアイテム」 (第91回)
- スイッチでラクラク! タッチパネルをスイッチで
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- 提言
- 知的障害の子どもをていねいに見ていこう
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- 〜拡大しすぎた「特別支援教育」と「発達障害」〜
- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- 〈中学校・通常の学級〉自閉症生徒への定期テストにおける支援
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- 〜メタ認知能力向上へ向けて〜
- 授業を面白くする手づくりグッズ
- 音声ペンを用いた手作り教材
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- 球体を使った教材を手軽に作ろう
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- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】絵カードを見て単語構成をしよう
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- 【算数・数学】数えて計算する子どもたちを支援するツール
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- 【造形】「あーせい、こうせい」と言われずに自ら探しまとめる
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- 【音楽】導入で子どもの興味をひきつける
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- 〜「ことりのうた」と「かえるのがっしょう」の実践より〜
- 【運動】みんな笑顔・土曜日キッズサッカー
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- 〜大学生サッカーチームの支援を得た試み〜
- 【自立活動】目の動きと身体の動きのコントロール
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- 〜目の動きに着目した姿勢保持の取り組み〜
- コーディネーター便り (第36回)
- 特別支援学校コーディネーター1年生
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- 〜特別支援学校の特別支援教育コーディネーターとしての半年〜
- 家族支援のあり方を考える (第6回)
- 家族支援こそすべての原点
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- 〈SSTエクササイズ〉ちょこっとパッケージ (第3回)
- コーナー監修
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- 説明することが苦手な子
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- トピックス (第36回)
- 教育振興基本計画部会(第22回)における特別支援教育に関する主な意見・資料の概要について
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- フォトライブ「授業」Part24/滋賀大学教育学部附属特別支援学校 (第3回)
- 小学部/日常生活の指導
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- 〜「ぼくできたよ!」できた自分を見つけて自己肯定感を育む〜帰りの会での振り返り活動「はなまるタイム」を通して〜〜
- 自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり (第6回)
- こうすればチームティーチングはうまくいく
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- 情報機器のなるほど活用術 (第36回)
- 映画予告のような映像教材を作ろう
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- 中学校卒業までに身につけたいソーシャルスキル (第6回)
- 危険から身を守るためのスキル
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- 学びやすさを意図した算数教具の工夫 (第6回)
- 確認の方法をもたせる
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- 教室で実践する視覚支援 (第6回)
- 読みがたどたどしく、意味の理解まで繋がらない子どもへの対応
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- 〜予測する困難さを支援しましょう〜
- 文字・かずのレディネス指導と教材 (第6回)
- 学習目標の組み合わせ
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- 重度・重複障害のある子への運動・認知発達支援 (第6回)
- 目的をもって楽しく歩く
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- 編集後記
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特集について
学年末は,この1年間の学習面や生活面での支援のまとめをし,その成果を次年度に引き継ぐ準備をする大切な時期です。
障害のある幼児児童生徒の一人一人のニーズを把握し,教育の視点から適切な支援をしていくために,乳幼児期から学校卒業までを通じて一貫した支援が必要です。そのため,個々の教育的ニーズに応じた支援を実施するためのツールとして個別の教育支援計画を作成し,継続的な支援の実施が求められています。
特別支援学校学習指導要領では,各教科等の指導に当たって個別の指導計画を作成することや長期的な視点で教育的支援を行うために,個別の教育支援計画を作成することが規定されています。また,小学校や中学校の学習指導要領においても,障害のある児童生徒については,「指導についての計画又は家庭や医療,福祉等の業務を行う関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより,個々の児童生徒の障害の状態に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと」が述べられています。
このように,幼児児童生徒の一貫した支援の充実のためには,個別の指導計画や個別の教育支援計画を活用しながら,次年度の引継ぎ資料の作成や実際の引継ぎの会議や支援会議等の実施が重要です。特に,幼児児童生徒また保護者,関係機関にとって,学校や環境が変わる学齢期の入口である幼稚園・保育園から小学校(部)への就学,小学校(部)から中学校(部),中学校(部)から高校・高等部,そして社会への出口である高等部卒業後の進路先等への移行期の引継ぎが重要なポイントとなります。スムーズな移行を実現するためにどのような引継ぎを行ったらよいのでしょうか。また,どのような支援方針を立てることがよいのでしょうか。担任としても,継続的な支援が実施できるよう入念に準備を進めたいところです。
本特集では,小・中・高の各々の移行期に焦点を当て,個別の指導計画や個別の教育支援計画における評価の方法や引継ぎ資料の工夫や活用の仕方,引継ぎ会議や支援会議の進め方等についてわかりやすく解説するとともに,卒業を迎え新しい学校に送り出す学校サイドと入学し支援を継続していく学校・進路先サイド両方の引継ぎや指導計画作成の具体例を紹介したいと思います。
「特別支援教育の実践情報」編集代表/東洋大学教授
宮ア 英憲
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- 明治図書