特別支援教育の実践情報 2012年11月号
発達障害のある子の「学びやすさ」を支える環境づくり

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特別支援教育の実践情報 2012年10・11月号発達障害のある子の「学びやすさ」を支える環境づくり

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2012年9月18日
対象:
小・中
仕様:
B5判 78頁
状態:
絶版
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目次

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特集 発達障害のある子の「学びやすさ」を支える環境づくり
特集について
宮崎 英憲
概論【発達障害のある子にとっての「学びやすさ」とは?】
1 通常の学級(クラス)における「学びやすさ」の実現〜応用行動分析学の視点から〜
野呂 文行
2 特別支援教育の充実・推進とともに教育と福祉の連携を
根津 敏明
実践【気づきをよりよい環境につなげるシステムづくり】
1 「乳幼児健診」での気づきをよりよい環境につなぐ支援システム
齋藤 忍
2 気づき票を利用して、授業の参観や面談を中心に
本田 裕美八島 妃富
実践【学校全体で取り組む!学びやすい環境づくり】
3 視覚刺激・聴覚刺激に配慮した校内施設設備
原田 浩司
4 「ぽかぽか言葉」から始める、あたたかな学校づくり
吉成 千夏
5 学校全体のルールづくり〜すべての生徒が安心して学習に取り組める教育環境をめざして〜
大塚 康裕
実践【「学びやすさ」が実感できる!授業の工夫とアイデア】
6 「よく見る、よく聞く」学習態度づくり〜学習のしつけの役割〜
大河原 徹也
7 ユニバーサルデザインを意識した授業と板書
小川 拓
8 集団(学級)づくりの工夫
田中 博司
9 意欲と自信を高める取り出し指導
小野塚 美春
実践【「学びやすさ」を持続する!家庭・地域の取り組み】】
10 保護者と共に考える支援
山元 美和子
11 地域で「理解と支援の輪」を広げる
田島 京
楽しく学ぶ簡単手作り教材 (第22回)
〈サーキットトレーニング〉楽しく何回もまわるぞ
象の会
授業がはずむ「おすすめアイテム」 (第89回)
iPhone&iPad! おすすめアクセサリー
亀田 長治
提言
グローバルな視点に立ち、ローカルで創造的な実践を
池本 喜代正
アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
修学旅行に行こう!バーチャル体験
瀬戸 幹夫
〜ゴーカートやジェットコースターに乗ろう〜
授業を面白くする手づくりグッズ
10秒で作れるコミュニケーション支援ツール
杉浦 徹
〜折り紙で作る飛ぶタネを使って〜
話す速度を自分でコントロールする教具
永野 建一
〜単語と12文字までの文章用〜
子ども生き生き・学習活動
【国語】文字や単語の学習でのひと工夫
今村 正作
〜スライドやピタン・パタンマッチングを取り入れて〜
【算数・数学】文章題もできるようになったよ
笘廣 みさき
【造形】やる気を引き出す描画指導
柏木 育子
【音楽】歌や動きで、お話の世界を表現しよう
工藤 久美
【運動】仲間との楽しい共有世界を作り出す「長縄」を使った取り組み
大宮 とも子
【自立活動】めあてを決めて行動しよう!!
隈部 有希
〜みんなで気持ちよく過ごすために〜
コーディネーター便り (第34回)
子どもを支援する全職員が支え合う
松田 由美
〜3名のコーディネーターがパイプ役に〜
家族支援のあり方を考える (第4回)
暮らしを支えるという見方
吉川 かおり
〈SSTエクササイズ〉ちょこっとパッケージ (第1回)
コーナー監修
小貫 悟
チームでの協力が苦手な子
田崎 由里子一ツ蛛@光恵
トピックス (第34回)
平成23年度「特別支援教育総合推進事業(「自閉症に対応した教育課程」及び「特別支援教育に関する教育課程の編成等についての実践研究」)」報告書について
菊地 一文
フォトライブ「授業」Part24/滋賀大学教育学部附属特別支援学校 (第1回)
高等部/職業
三川 綱一
〜卒業後の生活「働くことについて」〜なんのために働くのでしょう?〜〜
自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり (第4回)
小集団指導の特徴を理解しよう
村中 智彦
情報機器のなるほど活用術 (第34回)
会話補助アプリあれこれ
亀田 長治
中学校卒業までに身につけたいソーシャルスキル (第4回)
友だちと関わるときに使うスキル
西岡 有香
学びやすさを意図した算数教具の工夫 (第4回)
体感を活用する
井上 賞子
教室で実践する視覚支援 (第4回)
工作やパズルなど緻密な作業が苦手で、集中が持続しないのはどうしてでしょう
増本 利信
〜両眼を寄せる力を鍛えるトレーニング〜
文字・かずのレディネス指導と教材 (第4回)
1年生の文章読解
伊庭 葉子
〜まずは「一文」から〜
重度・重複障害のある子への運動・認知発達支援 (第4回)
手を使いやすい姿勢をとる
木舩 憲幸
編集後記
宮ア 英憲

特集について

2007年4月から実施された学校教育法の一部改正により,盲・聾・養護学校等で行われていた特殊教育が,一人一人の教育的なニーズに応じて行われる特別支援教育へと転換しました。小・中学校等においても,LD,ADHDなどを含む障害のある児童生徒に対して,適切な指導と必要な支援を行うものと規定されたことは,通常の学級に学ぶ多くの発達障害のある子にとって,大きな転換点になりました。さらに,障害者基本法等の改正により,「可能な限り障害者でない児童及び生徒と共に教育が受けられるよう配慮」するとされました。

共生社会の特別支援教育は,発達障害のある幼児・児童・生徒へ支援の手を広げると共に,通常の学級の指導の在り方,学校運営の方向,地域のシステムを問い直す作業を続けています。

発達障害のある子は,その障害特性が外見からわかりづらいことで,常に適切な支援にたどり着くのが遅れがちです。後手に回る対応によって,学習意欲を失い,必要な学びの積み重ねができないでいる子がたくさんいます。さらに,無理解や誤解によって,自己有能感が阻害され,二次的な障害が生じています。

特別支援教育の実施から5年余。試行錯誤だった教育現場・地域行政も,実践を積み重ねてきており,今や発達障害のある子の「学びやすさ」を考えた先読みの環境づくりについて鮮明にしていくことが求められています。

そこで本号において,発達障害のある子の「学びやすさ」を考えて,園で,学校で,地域で,行政で何ができるのかについて,実践してきたことを報告し合う特集を組むことにしました。概論では情報共有と共に専門的な立場から,発達障害のある子を中心に「学びやすさ」を支えるポイントは何かについてまとめていただきました。

発達障害のある子を学びにくくしているハードルは,多様にあります。本人の特性ももちろんありますが,周囲の努力と工夫で軽減できることも多々あるはずです。意欲的に学ぼう,共に生活していこうという子どもたちの姿を思い浮かべ,それぞれの立場での支援を振り返る一助になればと願っています。


「特別支援教育の実践情報」編集代表 東洋大学教授/宮ア 英憲

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