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特集について
計算や推論につまずく子への支援
文部科学省特別支援教育調査官/柘植雅義
小学校や中学校では,計算や推論といった算数・数学の学習で苦戦している子どもたちがいます。また,教師も彼らへの指導の進め方に苦戦をしています。
そのような中,「個に応じた指導に関する指導資料―発展的な学習や補充的な学習の推進(小学校算数編)」が刊行されました(平成14年8月に文部科学省から)。そのまえがきの中で,「子ども一人一人に応じた指導を充実することが求められています」と示されました。さらに,平成14年度の公立小・中学校での教育課程編成状況等の調査結果が公表されました(平成15年2月に文部科学省から)。そこでは,小学校の63.1%,中学校の64.7%が習熟度に応じた少人数指導を実施していたこと,実施教科で最も多かったのが算数・数学であったことが示されました。
一方,算数や数学で苦戦をしている子どもたちの中には,学習障害(LD)といわれる子どもがいるかもしれません。文部省(当時)の調査会議が示した学習障害(LD)の定義(1999)にある「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算」「推論」の6領域の内の「計算」と「推論」が今回の特集のテーマです。LDについては,全般的な知的発達の遅れがないものの,認知能力のアンバランスや基礎的能力の著しいアンバランスがあること,さらには医学的な評価等から特別な教育支援を行う方法の模索が始まっています。
このように,主に通常の学級に在籍しているLDの子どもには,算数科・数学科の教科指導という視点からの対応と,LDという視点からの対応の両輪が必要となります。
本特集が,計算や推論における目の前のつまずきへの対応のみならず,一人一人の子どもがより豊かな生活を送るために適切で効果的な指導法や指導内容を考える一助になればと考えました。
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